公取委、金型など7789個を取引先に無償保管させた不二サッシに下請法違反で勧告

公取委、金型など7789個を取引先に無償保管させた不二サッシに下請法違反で勧告

検査せず納品部品に瑕疵と主張、不当返品も

公正取引委員会は7月24日、サッシなど建材大手の不二サッシに対し、アルミサッシの部品製造に必要な金型や木型を取引先企業に無償で保管させたことなどが下請法違反に該当するとして、再発防止を勧告した。

公取委によると、不二サッシは遅くとも2023年12月以降、部品製造を長期間発注しないにも関わらず、取引先46社に合計7789個の金型などを無償で保管させていた。公取委はこうした行為が下請法で禁じる「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に当たるとみている。



また、不二サッシは取引先20社について、部品を納めた際に品質の検査をしていないのに、瑕疵があると主張し、23年12月以降、当該の部品を引き取らせていた。返品は送料を含めて総額約421万7000円分に上った。さらに、瑕疵があると判断した部品とそうでない部品を無償で仕分けさせていたという。公取委は一連の行為が、やはり下請法で禁止している「不当な返品」に該当すると指摘している。

公取委によれば、不二サッシは金型などに関し、保管費用を支払う方向で取引先と協議を進めているという。

不二サッシは同日、「本勧告を厳粛に受け止め、今後の取引において下請法に違反する行為が発生することのないよう、本件について役員及び従業員に周知徹底するなど、本勧告において求められた措置を速やかに実行するとともに、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めてまいります」と謝罪するコメントを発表した。

(藤原秀行)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事