グリッド、三菱ガス化学向けに外航船配船計画最適化システム開発完了

グリッド、三菱ガス化学向けに外航船配船計画最適化システム開発完了

メタノール輸送の高度な制約条件と複雑性に対応、損益最大化後押し

AIを活用した計画立案システムなどを手掛けるグリッドは7月28日、三菱ガス化学向けに、AIを活用した「メタノール輸送外航船配船計画最適化システム」を開発したと発表した。三菱ガス化学で6月に本格運用を開始した。

新システムは、属人化していた配船計画業務をAIによって自動化し、従来は担当者が長時間を費やしていた業務を夜間の自動計算で完了可能にした。さらに、コスト削減にとどまらず、「どこに・どれだけ売るか」に基づいて収益の最大化を図ることができると見込む。




AIシステム開発と導入による効果(グリッド提供)

三菱ガス化学は、アジア、中東、カリブ海など多地域からメタノールを調達し、日本国内およびアジア、EU(欧州連合)、北米地域の顧客へ供給している。外航船によるメタノール輸送は、積地・揚地の在庫、港湾制約、契約条件、顧客希望納期など、多岐にわたる制約条件が絡み合い、配船計画の難易度が非常に高い。

これまで経験豊富な担当者が計画を作成していたが、計画作成に要する時間、業務負荷の高さ、担当者の知識と経験に依存することでの属人化などが課題だった。

そのため、新システムでAIを駆使し、各船舶の運航状況や運航コスト、在庫状況など様々な要素が日々変化することを踏まえて最適な計画を導き出せるようにしている。

新システムの活用でAIによる夜間の自動計算および計画立案が可能となり、担当者が計画策定以外の業務にも専念できるよう後押ししている。

各顧客との取引条件もインプットすることで、配船の変更で収益がどのように変わるのかもシミュレーションすることが可能。コスト削減に加えて収益の増加も見込めるようになったという。



(藤原秀行)

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