不動産協会専門委、国交省と今秋以降意見交換へ
不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は7月16日、東京都内で開いた定例記者会見で、2019年度の税制・都市・住宅に関する政策要望を公表した。
この中で、税制改正の一環として「都市・地域の活性化などに寄与する大規模物流施設に対する支援」を盛り込んだことを説明した。
政策要望はこのほか、都市のコンパクト化推進の支援措置延長、建築物のBCP(事業継続計画)機能向上などに貢献する免震・制振装置への支援、マンションなどの再生の一層の推進といった項目を列挙している。
菰田理事長は政策要望全体について「今年10月に予定されている消費税率引き上げを乗り越え、経済の好循環をより確実なものとしていくため、産業構造の変化を踏まえて企業の設備投資を促進するなど、成長力を高めていくことが非常に重要。社会構造も大きく変化しているし、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など技術革新が急速に進展する中、持続可能な社会の形成に向けてさまざまな社会課題を、まちづくりを通して解決していくことが期待されている」と狙いを強調した。今後、国土交通省などに各項目の実現を働き掛けていく。
一方、内田要副理事長(専務理事)は、18年に同協会が立ち上げた物流施設デベロッパーらで構成する「物流事業委員会」で6月、物流施設に関連する活動の方向性を確認したことを明らかにした。
具体的には、
①人と環境に配慮した、安全を軸とした物流施設の開発
②インフラとしての物流施設の整備
③地域貢献に配慮した物流施設の開発
――を実現していくことと説明。今秋以降、3つの方向性を実現していく上での政策の課題や支援の在り方を国交省と意見交換していくとの見通しを示した。
内田副理事長は「具体的な議論はこれからだが、例えば地域貢献のため物流施設に災害時の避難所みたいなものを造った時にどのような支援ができるか、といったことを意見交換の中で詳細に詰めていく段階」との見解を述べた。
会見する菰田理事長(右)と内田副理事長
(藤原秀行)