物流施設事業の方針説明会、BTS側や冷凍・冷蔵倉庫の開発に注力表明
三井不動産は8月1日、東京都内で2025年度の物流施設事業の方針に関する説明会を開催した。
物流施設の開発では、顧客企業のニーズが多様化・複雑化しているのを踏まえ、需要が見込まれるBTS型の案件や冷凍・冷蔵倉庫に注力する意向を表明。併せて、物流施設の建設で培った経験を生かし、倉庫だけでなくオフィスや研究開発施設も備えた複合用途施設、賃貸工場も手掛け、「産業デベロッパー」として事業の競争力を高めていく考えを示した。
加えて、テナント企業が抱える物流面の課題解決をデベロッパーとして支援していくサービス「MFLP & LOGI」をシリーズ化し、より本腰を入れて取り組んでいくことも強調した。その一環で、今年7月には千葉県船橋市の「MFLP船橋」で、荷役時間を自動で可視化し、待機・荷役時間の削減と共同輸送を促進する新サービス「(仮称)MFLP & LOGI Berth」の実証実験を始めたという。
政府が「物流2024年問題」への対応として、物流拠点でのトラックドライバーの荷待ち・荷役時間を短縮するよう強く求めているのに対応する。
会見した同社の篠塚寛之常務執行役員ロジスティクス本部長は「冷凍・冷蔵倉庫はドライと仕様や設計が全く異なる。開発は難度が高いのであせらず取り組む」と強調。荷待ち・荷役時間の短縮など「社会課題の解決にデベロッパーも積極的に参加していく必要がある」と意気込みを見せた。
物流施設は25年度中、6物件の着工を予定していると説明。国内外で竣工済みと開発中のものを合わせて78物件、延床面積が約610万平方に達し、累計投資額は約1兆3000億円に上るという。
事業領域の拡大へデータセンター投資を伸ばしていくことも説明。2035年までに約6000億円を投じることを目標に掲げると解説した。
会見する篠塚氏
(藤原秀行)