住友林業、建設現場の配送効率化支援サービスを関西でも開始

住友林業、建設現場の配送効率化支援サービスを関西でも開始

関東1都3県に加え、共同配送など展開

住友林業は8月4日、完全子会社のホームエコ・ロジスティクスが、8月1日から建築現場の配送効率化を支援するサービス「JUCORE物流」(ジュコア物流)を現在の首都圏1都3県に続き、関西・京阪神地区でも開始したと発表した。

共同配送などを展開し、「物流2024年問題」を背景とした輸送力不足や環境負荷低減に対応し、持続可能な建築現場配送の実現を図る。 



同サービスは主に戸建住宅や集合住宅を対象に住宅資材を共同配送している。2024年1月に首都圏1都3県へ対象エリアを拡大したのに続き、8月1日から関西・京阪神地区でも対応を始めた。ホームエコ・ロジスティクスは建材流通業者から住宅資材の配送を受注し、配送センターから各納品現場までの配送業務を担う。

配送センターは首都圏1都3県の11カ所、関西京阪地区の2カ所の計13カ所に設置。輸送距離が短くなるよう配送センターを半径10~20㎞の範囲内に設け、各納品現場への配送時間の短縮や急な資材変更、追加配送などのニーズに対応、トラックの稼働率も高めることを企図している。

商物分離を徹底し、異なる仕入れ先の住宅資材を混載する共同配送で配送サービスを効率化する。従来は各納品現場に建材メーカーがそれぞれ住宅資材を配送していたため配送頻度が高く、納品現場の荷受け負担が常態化し工期にも影響していた。同サービスは工期に応じた物流計画に基づき、配送センターで住宅資材を集約し共同配送することで、従来と比較し配送便を約60%削減。納品現場の荷受け負担を抑え、配送コストも約10%減らせると見積もっている

また、ホームエコの建材流通ノウハウを活かし独自の配送案件管理システムを構築。利用者のニーズに合わせた最適な物流でのソリューションを提供できるよう配慮している。

専門のオペレーターを設置し、各納品現場情報を一元管理、物流データの蓄積・分析、各種データベースから得られる情報を基に建設工程に合わせた物流計画を提供。複数の建材メーカーから納品された住宅資材を建設工程に合わせて配送し、積載効率と配送効率を高めるよう努める。将来は工程管理アプリと連携し、納品現場の建設工程に合わせた効率的な配送を考案できるようにすることを目指している。

住友林業の戸建分譲住宅事業は建材メーカーから頻繁に住宅資材が現場へ直接納品されていたため、納品内容や時期の把握が困難な上、荷受けも多くなり、建設作業が止まってしまうこともあるのが課題だった。建材メーカーも配送リソース不足の課題を抱えており、希望通りの納期で配送できない、納品現場で使うタイミングではない住宅資材を配送するなど現場との配送ギャップが生じ、現場対応に要する時間も長期化していた。



納品現場と建材メーカー双方の課題解決のため、22年12月から戸建分譲住宅事業に限定したトライアルを開始し、24年9月から関東1都3県の全現場で開始、25年8月から関西エリア全現場でJUCORE物流を導入した。既に展開している1都3県は荷受け手間の削減、納品調整工数の削減で現場の作業効率向上、建材メーカーの現場調整工数の削減に貢献できているという。

今後は2030年までに三大都市圏と福岡県でのサービス展開を目指す。併せて、建材メーカーから配送センターへの長距離・大量輸送を行う幹線輸送サービスなどの展開で輸送量を増加させ、建材物流の効率化を図る。

(藤原秀行)※いずれも住友林業提供

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