就労環境改善や共同物流目立つ
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に関し、ロジビズ・オンラインは6月24日時点で賛同を表明している大手メーカーや卸・小売業など91社が同運動事務局に提出した自主行動宣言を独自に集計した。
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同宣言で必須項目となっている全体の取り組み方針と法令順守への配慮、契約内容の明確化・順守の3点以外に、「独自の取り組み」を選んだ企業が全体の32・1%に上った。具体的内容では、女性の活躍促進やダイバーシティ実現、健康など就労環境改善に関わるものが目立ったほか、共同物流を挙げた向きも多かった。
既に行っている取り組みを紹介しているケースもあるが、荷主企業と運送事業者の双方で、物流改善の取り組みで独自性を出そうと努めている動きが見られた。
集計は91社のうち、必須項目以外の選択結果を明示している84社が対象。同じグループに属する企業が複数あった場合もそれぞれ回答を集計にカウントした。荷主企業は製造業や卸・小売業、サービス業などを、運送事業者は運輸・郵便業をそれぞれ分類した。
「独自の取り組み」を列挙したのは荷主企業と運送事業者で計27社。そのうち、就労環境改善に関わるものを挙げたのはトヨタ部品富山共販(女性や60代の運転手を含む多様な人財が活躍でき、かつ働きやすい労働環境の実現)、日本通運(ダイバーシティの推進)、ワコール流通(健康課題の改善)など9社。
共同物流に関連するものを記したのはトヨタ自動車(調達部品の共同輸送[調達物流改革])、味の素(共同配送の展開による物流効率化)など6社だった。
「デザイン・フォー・ロジスティクス」も
このほか、「定時定量発注と中継輸送」(サンスター)、「ポストイン(小型配送)への協力」(オルビス)、「帰り便(活用)の推進」(水島合金鉄)、「デザイン・フォー・ロジスティクス(=物流機器との親和性が高い製品設計を行い、一貫パレチゼーションを推進)」(ハウス食品)、「トラックの工場滞在時間短縮」(住友ゴム工業)、「土日・祝日の輸送(削減)」(花王)といった取り組みが並んだ。
自動化・省人化が注目される中、「自動運転の実用化」(日本郵便)や「電子サインの促進」(西濃運輸)などITを活用しようとする動きも見られた。
(藤原秀行)
※画像は「ホワイト物流」推進運動のポータルサイトより引用