三菱地所と東急不動産、CREが共同開発へ、70万㎡超を計画
三菱地所と東急不動産、シーアールイー(CRE)の3社は8月19日、横浜市が中心となって進めている再開発プロジェクト「旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業」の物流地区で、自動運転トラックによる幹線輸送など新しい物流システムに対応した高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」を関東圏で初めて開発すると発表した。
2027年秋以降に東棟、28年頃に西棟の新築工事にそれぞれ着手。竣工は東棟が30年頃、西棟が31年頃を想定している。
3社は延床面積が約70万㎡の次世代基幹物流施設を関東圏に整備し、物流業界の人手不足解消や配送効率の高い物流ネットワーク構築を図るほか、国が2040年までに実現を目指す「フィジカルインターネット」の実現にも寄与していきたい考え。
三菱地所と東急不動産は、既に関西圏の京都府城陽市で同じく基幹物流施設の開発計画を進めている。関東圏でも同施設の開発を始めることで、物流の大動脈として機能している東名高速道路から新名神高速道路までの東西にそれぞれダブル連結トラックや自動運転トラックなど次世代モビリティの発着基地となるターミナルを設置できるとみている。
三菱地所は仙台市でも基幹物流施設の開発を計画している。東急不動産は類似施設の開発を佐賀県、茨城県で計画しているほか、両社は中京圏などでもそれぞれ検討を進めている。
3社は本計画を関東圏の中核物流拠点として、各圏域と高効率な幹線輸送ネットワークを整備し、物流の自動化・省人化や環境負荷低減を後押しする。
「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画」は、米軍が2015年6月に日本へ変換した旧米軍上瀬谷通信施設跡地(242万2396㎡)を再開発することを想定している。横浜市西部の瀬谷区と旭区にまたがり、相鉄線瀬谷駅の北約2kmに位置。同市内のみなとみらい21地区の約1・3倍の広さに相当するという。東名高速道路の横浜町田ICや保土ケ谷バイパスの上川井ICに近接し、計画地内を環状4号線が走るなど、首都圏広域へのアクセスの良さが見込まれる。
市は使用目的ごとに「農業振興」「観光・賑わい」「公園・防災」「物流」の計4つのゾーンに区分。今回の施設は「物流」のゾーンで整備する。
横浜市が整備を検討している東名高速道路のICより、基幹物流施設に直結した専用ランプウェイを設け、ダブル連結トラックや自動運転トラックなどが高速道路から一般道に下りずに利用できるようにする。
【計画概要】
所在地:横浜市旧上瀬谷通信施設地区(物流地区)
アクセス:
(電車)相模鉄道本線「瀬谷」駅より約3.0km
(自動車)東名高速道路「横浜町田」ICより約3.0km
東名高速道路新設IC(予定)そば
敷地面積:約220,000㎡(約66,600坪)
延床面積:約700,000㎡(約211,750坪) ※東棟・西棟合計
用途:マルチテナント型物流施設
事業主:三菱地所、東急不動産、シーアールイー
竣工:東棟:2030年頃 西棟:2031年頃
(藤原秀行)※いずれも3社提供