多機能断熱ボックス活用、輸送量を従来比2倍に拡大
全日本空輸(ANA)とコンビニ「セイコーマート」を展開しているセコマ、沖縄でスーパー「フレッシュプラザユニオン」を運営している野嵩商会、大日本印刷(DNP)の4社は8月25日、北海道で製造する牛乳・ヨーグルト・デザート類を、新千歳空港から那覇空港まで即日空輸し、翌日沖縄県で販売する取り組みを7月7日に始めたと発表した。
ANAは2024年からセコマの一部商品について、沖縄県への即日空輸を手掛けており、大型機材が就航する新千歳空港からの発送に切り替えてコンテナ単位での輸送を実現。輸送量・商品数を大幅に拡大する。北海道で製造した商品を、翌日までに新鮮な状態で沖縄県の消費者に届け、販路拡大を後押しする。
DNP多機能断熱ボックスを活用した航空輸送の様子(プレスリリースより引用)
空輸するのはセコマが北海道豊富町、札幌市で製造するサロベツ牛乳、北海道生乳100%とよとみプレーンヨーグルト、とよとみミルクコーヒー、たまごプリン、ミルクプリンなどが対象。
国内旅客定期便の昼間帯の床下貨物空きスペースを有効活用し、「物流2024年問題」の解決を支援する。ANAは旅客定期便を使用した長距離スピード輸送により、安定的な輸送体制を構築できると見込む。
輸送の際はDNPが開発した「DNP多機能断熱ボックス」を使用。非常に高い断熱・保冷性能を備えた断熱材を使用し、高い気密性を持たせた構造設計により、輸送時には、電力を使わずに内部の温度を長時間一定範囲に保つことが可能。パレットがそのまま1つ納まるコンテナ型で、輸送量を従来の約2倍に拡大した。
輸送した商品は、野嵩商会のスーパーで翌日に販売を始める。
(藤原秀行)