【現地取材】プロロジス、スタートアップ支援施設活用し物流変革促進

【現地取材】プロロジス、スタートアップ支援施設活用し物流変革促進

山田CEOが交流イベントで意欲アピール、VCの岡氏は今後も潤沢な投資続くと展望

プロロジスは8月28日、東京都内の本社で、スタートアップの関係者や大手企業の新規事業開発担当者らに交流の場を提供するイベント「物流ビジネスMeetUP」を初めて開催した。

同社の山田御酒代表取締役兼CEO(最高経営責任者)らは、プロロジスとして物流施設の空間を貸し出す「スペースプロバイダー」から、入居企業らが抱える物流の課題解決を支援していく「ソリューションプロバイダー」への進化を図っていることに言及。その一環として、スタートアップと組み、入居企業らに自動化などのソリューションを提案していると強調した。



その上で、大企業やスタートアップの新規事業立ち上げなどを支援するインキュベーション施設「inno-base」(イノベース)を茨城県つくば市と東京都墨田区押上の2カ所でそれぞれ、プロロジスが開発した物流施設内に設け、入居企業のビジネスを軌道に乗せるためのサポートを展開している点をアピール。今後も物流業界の変革を推し進めるため、inno-baseを生かしながらスタートアップ支援に注力していく姿勢をPRした。

また、ゲストとして登壇したベンチャーキャピタル(VC)Spiral Innovation Partners(スパイラル・イノベーション・パートナーズ)の岡洋General Partner(ゼネラル・パートナー)は物流領域のスタートアップに対し、今後もVCや投資家などから潤沢に投資資金の供給が続くと予想。先進技術によるイノベーションがこれからさらに起きていくと期待を表明した。


あいさつするプロロジスの山田氏


スタートアップなどの関係者が多数集まったイベント会場

山田氏は冒頭のあいさつで「物流の観点からお客様にもっと寄り添い、課題解決を提案していこうということで、スタートアップの知見を取り入れ、共同のような形で提案している」と説明。プロロジスとしても、自動フォークリフト開発を手掛けるハクオウロボティクスと資本・業務提携を締結するなど、本腰を入れて新規事そ支援に乗り出している姿勢を訴えた。さらに、2カ所のinnobaseを駆使し、有望な事業が育っていけるような環境を引き続き整備することに強い意欲をのぞかせた。

岡氏は、セイノーホールディングスと連携して運営している投資ファンド2本の活動状況を紹介。1本目のファンドは物流周辺領域向けに70億円、2本目は荷主のバリューチェーン全体を対象に90億円の投資規模を持たせており、投資先が多岐にわたっていることに言及した。



大手物流企業などが相次ぎ、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げていることにも触れ、「スタートアップは資金以外のサポートを重視して投資家を選ぶようになり、資金以外の供給が重要になる」と解説。同時に、CVC間の競争も激しくなるとの見解を示し、スタートアップに選ばれるCVCになる必要性を語った。

「ロジスティクスが装置産業として生まれ変われるタイミングに来ており、スタートアップのチャンスと捉えているし、旧来の物流事業者さんにとっても自分たちを変えるチャンスが来ているんだと思う」と持論を展開。大企業による物流スタートアップの買収も続くとみていることに触れた。


岡氏

イベントにはinno-baseに入居しているスタートアップから、清掃や運搬などに従事するサービスロボットのインフラ構築に取り組むOcta Robotics(オクタロボティクス)の前川幸士共同創業者 取締役と、エネルギー/バッテリー関連事業を展開しているLEALIAN(リーリアン)の佐藤俊代表取締役が出席。

前川氏はロボット・建物設備間連携インターフェースサービス「LCI」を紹介。屋内でサービスロボットがエレベーターを乗り継いで異なるフロア間を移動するなど、より高いレベルでサービスロボットが活躍できるようになることに期待を見せた。

佐藤氏はプロロジスと組み、シェアして使えるバッテリーを物流施設で貸し出し入居企業のEV(電気自動車)利用などを促進する「エネルギーシェア型物流センター」構想を進めていることを明らかにした。




前川氏(上)と佐藤氏

(藤原秀行)

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