【物流で光るCSR】ペットボトルの「水平リサイクル協定」アピールするラッピングトレーラを運行開始

【物流で光るCSR】ペットボトルの「水平リサイクル協定」アピールするラッピングトレーラを運行開始

東洋製罐グループの東洋メビウス、自社初導入のカーテンレール車活用

東洋製罐グループホールディングス傘下の物流企業、東洋メビウスは9月1日、仙台市が8月26日に主催した「ペットボトル水平リサイクル協定に基づくラッピングトレーラ出発式」に参加したと発表した。

同社として初めて導入したカーテンレール車に、ペットボトルの水平リサイクルの重要性をアピールしたデザインを施している。




初導入のラッピングカーテンレールトレーラ(東洋メビウス提供)

水平リサイクルは使用済み製品を同一種類の製品へリサイクルすることを指す。資源を繰り返し利用できるため、環境負荷の低減につながる「質」の高いリサイクルと評価されている。

仙台市は2021年10月、伊藤園と、東洋製罐グループで伊藤園など向けにペットボトル入り茶系飲料の充填・製造を手掛けるティーエムパックの両社と連携協定を締結。22年4月に家庭から収集した使用済みペットボトルを新たなペットボトルに水平リサイクルする、地域内における循環利用の取り組みをスタートした。

トレーラによるカーテンレール車はもともと塗装も白地に無地のため、この素材を生かして何かできることはないかと検討。東洋メビウスが輸送を担うティーエムパック製品は、ペットボトル水平リサイクルにより資源を再利用したペットボトルを使っているため、活動を手伝いたい旨、提案したところ、連携協定を締結している同社と仙台市、伊藤園の快諾を得たという。

ラッピングは、水平リサイクルの取り組みやワケルファミリー、仙台市を代表する伊達政宗騎馬像と七夕まつりを側面に、後扉には東洋製罐グループのキャラクターを配置したデザインをそれぞれ描いている。

東洋メビウスはティーエムパックで製造している飲料製品を近隣の倉庫へ24時間体制でトレーラ輸送している。もともと通常のウイング車を使っていたが、ウイングの開閉頻度が高いため消耗が激しく、年1回大掛かりな修理を強いられる上、車両自体も経年劣化で代替え検討の時期を迎えていた。



24年5月に横浜市の「パシフィコ横浜」で開催されたジャパントラックショーで、SenoPro Trucksが開発していたカーテンレール車が目にとまり、採用が決まったという。

カーテンレール車を採用したことで、従来のウイングによる開け閉めが不要となり、カーテンを横方向に移動させる仕様となった。毎年のように発生していたウイングの修理についても、今後は7年に1回、カーテン交換をするだけとなり、修繕費の削減が見込まれている。

(藤原秀行)

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