矢野経済研究所が予測、半分は通販向け
矢野経済研究所は7月23日、ラストワンマイルの物流市場規模に関する調査結果を公表した。
2018年度の市場規模は前年度から13・7%増の1兆8300億円と推計。宅配便の取り扱い個数拡大や宅配料金の高騰が市場規模拡大を後押ししたとみている。
19年度は1兆9200億円、20年度は2兆300億円にそれぞれ上ると推察、市場成長が今後も見込まれると分析した。
同社は市場を「通信販売」、ピザや寿司の出前といった「ワンタイム型デリバリー」、生協の宅配や在宅配食サービスなどの「定期販売型デリバリー」、「個人間宅配」の4種類に分類。市場全体のおおむね半分を通信販売が占める状況が続いている。
同社は今後について、通販の伸びに牽引される形で引き続き堅調に推移すると予想。一方で通販の荷物量がいずれ頭打ちとなる見通しであることや、トラックドライバー不足の解決が見込めないことが課題と指摘。
「IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ロボット(ドローンなど)を活用した新しいアプローチで物流を構築する新規参入事業者が登場し、こうした課題が解決に向かえば市場はさらに活性化していく」との見解を示した。
市場規模の推移(矢野経済研究所プレスリリースより引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)