積載量を自動算出、空いている車両に荷物集約し運行本数削減図る
豊田合成は8月30日、製品納入時の輸送効率を高めるため、トラックの積載量をAIで自動算出するシステムを開発したと発表した。
自社のみよし物流センター（愛知県みよし市）で運用を開始した。積載率が低いトラックを割り出し、荷物を集約することで運行の効率化を後押ししたい考え。同社は年間約4400便の運行本数削減が可能で、140tのCO2排出削減につながるとみている。
従来、顧客の自動車メーカーの各工場が生産している量に応じてトラックの配車計画を最適化するため、各運行路線の担当者が荷台の空間を目視で確認し、積載量を算出してきた。この方法では、担当者の経験年数などで判断にばらつきが出たり、確認できるトラック台数に限界があったりしたため、算出の精度向上が課題だった。
みよし物流センターで積み下ろしする全てのトラック（1日当たり500便）の貨物量を24時間撮影、AIによる画像解析でその量を自動算出し、即座に正確な積載量をつかめるようにした。積載率の低い路線・便の洗い出しが容易になり、試験導入した一部の路線では、運行本数を1日15便から12便に減らせるなど、輸送効率向上で成果を挙げた。
同社は無駄のない物流計画を実現することで、製品輸送時のCO2排出を減らせるのに加え、社会課題となっているトラックドライバー不足解消への効果も期待できるとの見方を示している。
今後はグループ全体の輸送効率向上に向け、同システムを愛知県内の一宮物流センター（TGロジスティクス）で2023年秋に導入する予定。
輸送効率向上のための改善ポイント（プレスリリースより引用）
（藤原秀行）
