日本郵便が再発防止策の進捗など公表
日本郵便は9月30日、点呼業務の不備を受け、国土交通省と総務省から命じられた再発防止策などに関する報告を同日、両省に提出したと発表した。
この中で、軽貨物車両を使った配送業務でも点呼業務の不備が多数見つかったことについて、9月3日付で国交省から111カ所の郵便局に、行政処分の前段として当事者の弁明を聞く手続きを行う旨、通知を受け取ったことを明らかにした。
同日以降も順次、当該局以外でも弁明通知を受領しているという。日本郵便は「行政処分が執行された場合は、他の運送会社に委託することを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、他局からの業務応援等により、当該行政処分に対応を実施していく」と訴えている。
報告は再発防止策の進捗に関し、対象の全社員約12万人への動画研修を実施したり、軽貨物自動車の安全管理者講習を約3000人が受講したり、9月1日付で安全を統括する責任部署を設けたりといった対策を展開し、意識改革とガバナンス体制の強化を進めていることに言及。
記録を確実に残す「デジタル点呼」の運用は、集配業務を担う全郵便局の約15%に相当する約480局で実施していると説明した。
また、ユニバーサル(全国統一)サービスの提供状況については「現時点で郵便物や荷物のお届けに大きなトラブルは発生していない」と強調。
新たなオペレーションに移行した6月19日以降も、移行前と変わらず、サービス提供水準を確保できているとの見解を示した。
その上で「仮に、本調査の結果において、前年と比較し、配達日数遵守率が大幅に下回ることが判明した場合は、直ちに原因究明を行うほか、適切な事後措置を講じることで、今後も高品質な郵便・サービスを安定して提供し続けることができるよう努める」と説明している。
(藤原秀行)