各工場の「従業員数」「女性比率」「労使協定の有無」を初公開へ
アンドエスティHD(旧アダストリア)は10月10日、サプライチェーンの透明性を強化するため「サプライヤーリスト」を拡充すると発表した。
同社は製造などの面で環境に負荷が掛かるアパレル、繊維産業を展開しているグループとしての企業責任を果たすとともに、より良い社会を実現し、顧客に安心、安全な商品を提供し続けたいという企業姿勢に基き、企業単位でのサプライヤーリストの公開を2024年9月に始めた。
その際公開した47社に加え、新たに関連する60の生産工場を開示する。加えて、各工場の「従業員数」「女性比率」「労使協定の有無」の3項目を初めて追加する。
(アンドエスティHD提供)
アンドエスティHDグループは、中国やASEAN(東南アジア諸国連合)などを中心に世界中の国・地域で商品を生産している。原材料調達・縫製・輸送などの多岐にわたる工程がある、複雑なサプライチェーンにおいて、公平で倫理的な調達活動を行うことがサステナビリティの重点課題と位置付け、2016年に独自の「グループ調達方針」と、「グループ調達ガイドライン」を策定。
このうち「グループ調達ガイドライン」は社会面、環境面に配慮した調達活動を推進するために順守すべき人権・社会・環境・ガバナンスの基準を明記している。策定後はグループ調達方針に基づいた工場のCSR(企業の社会的責任)モニタリングや現地視察を通じて、生産工場とのパートナーシップ協定の締結を進めている。
10月からは、昨年公開した直接取引している貿易企業47社に加え、関連する60の生産工場を新たに開示。これまで以上に詳細な情報に基づいたサプライチェーンの透明化を促進する。
また、商社を経由した生産委託も行っており、該当する主力商社7社、および商社を経由する貿易企業18社を新たに開示した。
(藤原秀行)