パナソニックの真空断熱保冷容器使った冷凍寿司の米国空輸実証に成功

パナソニックの真空断熱保冷容器使った冷凍寿司の米国空輸実証に成功

10日間、マイナス22℃以下を維持

パナソニックは10月14日、特殊冷凍技術の製品企画・開発などを手掛けるデイブレイク(東京都品川区東品川)が実施した冷凍寿司の空輸実証に関連し、パナソニックグループの真空断熱保冷容器「VIXELL」(ビクセル)を提供し、保冷輸送時の温度管理と品質維持の実証に成功したと発表した。

高品質な冷凍食品を空輸する際に、VIXELLが有効な温度管理ソリューションとして役割を果たせるとアピール。冷凍寿司のコールドチェーン構築に貢献できると見込んでおり、実用化を図りたい考えだ。




(パナソニック提供)

デイブレイクは冷凍寿司の海外輸出を推進し、米国への輸出実績を持つ。海外輸出の重要テーマとして、コールドチェーンの研究・実証を重ねており、今年3月には、日本から米国への海上輸送に成功した。さらに、海上輸送に加え、より迅速な流通経路の空輸でも同等以上の品質維持を可能にするため、研究・検証を継続している。

空輸の輸送期間は海上輸送より短いが、機内や貨物の積み下ろし時の温度変化リスクが高く、安定した品質維持が難しいという課題を抱えていた。

デイブレイクはこれまで複数回の空輸検証を行ってきたが、温度管理で設定通りの結果が得られない状況が発生していたという。そのため、パナソニックの協力を得て、繊細な冷凍寿司の高品質空輸の実現を目指すことにした。

今回の検証は8月29日に日本を出発した冷凍寿司を対象に実施。9月9日に米国現地で受け取るまでの約10日間、輸送した5つの「VIXELL」ボックスの全てがマイナス22℃以下を維持していたことを、同梱した温度ロガーデータで確認できたという。パナソニックはこの結果、空輸でも冷凍寿司の品質維持に十分な温度管理が可能なことを証明できたとみている。

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事