商業インボイス帳票で読み取り精度98%実現
トレードワルツは10月16日、貿易情報共有化システム「TradeWaltz」(トレードワルツ)で、新たにAI-OCR(AIを活用した文字自動読み取り)機能の提供を正式に開始したと発表した。これまで人手で行っていたPDFデータ化の負荷を大幅に減らせると見込む。
当初は輸入業務の商業インボイス(Commercial Invoice)の読み取りに対応するほか、今後はユーザーの要望を踏まえ、対象帳票をパッキングリスト(P/L)や船荷証券(B/L)などに順次拡大し、対応範囲を輸出業務にも広げながら機能強化を進める予定。
TradeWaltzはPDFの保管やステークホルダー間の連携機能を備えているが、ユーザーから「保管しているPDFをデータ化し、他の書類作成や申請に活用したい」との要望が多く出ていたため、当該機能の開発に踏み切った。
TradeWaltz上に登録したPDF形式の書類をアップロードし、「読取開始」ボタンをクリックすればAIが自動的に内容を解析し、構造化データとして登録・共有できる。必要に応じて自社システムへの取り込みも容易になる見通し。
採用した、シナモンによる「生成AI抽出型 AI-OCR」は、大規模言語モデル(LLM)を活用して文脈から項目を理解し、事前の座標定義なく、インボイス番号、商品明細、数量、金額、通貨などを高精度に抽出する。
トレードワルツが実施した実証試験では、商業インボイス帳票で98%の項目読取精度を確認したという。
(トレードワルツ提供)
(藤原秀行)