【独自取材】ドローンの自動衝突回避技術、目指すは国際標準化

【独自取材】ドローンの自動衝突回避技術、目指すは国際標準化

NEDO・宮本プロジェクトマネージャー、まず「離島物流」に導入意欲

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ロボット・AI部の宮本和彦主査(プロジェクトマネージャー)は7月25日、福島県南相馬市でNEDOと民間企業などが連携して行ったドローン(無人飛行機)の自動衝突回避技術に関する実証実験後、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。

宮本氏はドローンとヘリコプターなど有人機のニアミスが起こっている現状を踏まえ、ドローン物流の実現を図る上で衝突回避技術は不可欠として、実用化を急ぐ姿勢を強調。まずは離島向けのドローンによる荷物配送に導入されることを目指す考えを示した。

さらに個々の要素技術を包括的に利用できるパッケージとして自動衝突回避システムを完成させた上で、日本だけにとどまらず国際標準化を後押しし、グローバル規模で活用されるのを目標としていることを明らかにし、達成に強い意欲を見せた。


実験に投入した、ドローンに見立てた無人ヘリコプター

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ドクターヘリなどとのトラブル防げると意義強調

今回の実験はドローンに見立てた小型ヘリコプターにセンサーやカメラなどを搭載。海上を飛行していて、正面から飛んでくる有人ヘリコプターの存在を自動的に検知、回避行動を取ることに成功した。相対速度が時速100キロメートルで自動衝突回避に成功したのは世界初という。

宮本氏は今回の自動衝突回避技術について「上空ではヘリコプターなどから目視でドローンの存在に気付くのが極めて困難。有人ヘリの側から回避するのは至難の業だけに、ドローンの側に技術を搭載しておくことが求められる」と解説。ドクターヘリなどとの衝突の可能性が懸念されていることに触れ、技術導入はドローン飛行の安全性を担保する上で非常に重要と意義を強調した。

また、今回の実験を海上で行ったことに触れ「レーダーは波の影響を非常に受けやすく、影響をキャンセルする技術を確立するのが非常に難しい。関係者が大変苦労したポイント。そこを克服できたのは非常に大きな前進」と指摘。

現在実用化に向けた動きが出ている離島へのドローン物流に関し「こうした技術で実現により現実味が出てくると思う」と語り、2019年度中に離島向け荷物輸送で自動衝突回避の実験を行えるよう取り組む意向を示し、センサーの小型化などを進める必要性に言及した。

今後の展開に関しては「まだ研究開発フェーズでめどが付いた段階。技術はかなり進歩したが、システム全体を小型化してより多くのドローンに搭載できるようにするなど取り組むべき課題はまだ多い。将来は都市部で有人ヘリなどと同一空域を安全に飛行できる社会の実現を目指し、1日も早く技術を確立して社会実装させたい」と決意を語った。

併せて、「海外でもドローンが運用されており、ドクターヘリなどが飛行しているのは日本だけではない。有人機とドローンの衝突回避はどの国にも課題として存在すると認識している。国際的にこの技術を認めていただけるよう標準化を積極的に提唱し、広く普及を図りたい。将来的には日本の国際競争力、技術優位性に資するような、ドローンの大きな塊となる技術の1つとして育てていきたい」と説明。日本だけでなく海外でも自動衝突回避システムを標準として受け入れられるよう活動を進めていく姿勢を鮮明にした。


実証実験を前に記者会見する宮本氏

(藤原秀行)

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