三菱ガス化学、米社から船舶燃料など向けに低炭素メタノールを調達へ

三菱ガス化学、米社から船舶燃料など向けに低炭素メタノールを調達へ

売買契約締結、年間100万tの引き取り目指す

三菱ガス化学は11月6日、米国でエネルギー関連事業を手掛けるTransition Industries(トランジション・インダストリーズ、TI)から低炭素メタノールを調達すると発表した。

引き取りに関する売買契約を同日、両社間で締結した。三菱ガス化学は船舶燃料などに低炭素メタノールを活用し、幅広い産業領域で脱炭素を促進したい考え。




両社幹部による契約調印式の様子(三菱ガス化学提供)

TIは炭素排出量がネットゼロのメタノールおよびグリーン水素の創出プロジェクトを世界規模で展開している。世界銀行グループの国際金融公社(IFC)などと組み、メキシコで世界最大規模の低炭素メタノール製造プロジェクト「Pacifico Mexinol Project」(パシフィコ・メキシノール・プロジェクト)を推進している。

同プロジェクトは年間215万tの低炭素メタノール(グリーンメタノール、ブルーメタノール)を製造することを目標に掲げている。

三菱ガス化学は同プロジェクトが商業運転の開始を予定している2029年から年間約100万t規模の低炭素メタノールを引き取ることを想定。環境負荷の少ない低炭素メタノールを燃料用途に加え、各種化学品など幅広い用途に供給することで、日本を中心としたアジア地域で同社が取り扱うメタノールの低炭素化を推進する。

同社は排出CO2や廃プラスチック、バイオマスなどを使ってメタノールを製造し、燃料や素材、化学品として供給することでメタノールを起点とした炭素循環を実現する環境循環型のプラットフォーム「Carbopath」(カーボパス)の構築を図っている。

今回の契約は同社として初めての低炭素メタノールの大規模かつ長期の購入契約。日本を中心としたアジアにおける低炭素エネルギーや素材の安定供給に寄与するとともに、グリーン市場の創出や拡大を後押しする。



(藤原秀行)

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