Hacobu、鴻池運輸の配車システム開発に着手

Hacobu、鴻池運輸の配車システム開発に着手

「匠の技」をデジタルで継承・進化へ

Hacobuは11月6日、鴻池運輸向けに配車システムの開発に着手したと発表した。配車・支払いのデータを連携させ、業務を標準化することで、配車担当者の経験則をシステムで再現・発展させることを目指す。

自社製品を開発する上で培ってきた経験とノウハウ、物流現場の解像度を基に、物流DXを支援するシステムインテグレーションサービス「Hacobu Solution Studio」の一環として展開。配車から支払いまでの業務一元管理を実現したい考え。



鴻池運輸は従来、配車と運送事業者への運賃支払いを別々のシステムで運用していた。現場の担当者は制約の中で経験と工夫を重ね、配車情報と支払い情報をそれぞれのシステムに転記しながら、日々の物流業務を支えてきた。

一方で、業務量の増加とともに、転記作業の負担増や判断ノウハウの共有の困難さ、データの分断といった課題が顕在化。鴻池運輸は「現場が培ってきた匠の技をデジタルに継承・進化させる」方針を定め、システム間のデータ連携を軸に標準化と効率化を進めることを決めた。

また、貨物自動車運送事業法の改正に際し、鴻池運輸は実運送に関する情報整理と記録運用の定着に取り組んできた。

今回の配車システム開発はこれまでの運用を土台に、日々の配車から実績、支払いまでをデータでつなぎ、記録・保存・参照の確実性を高めることに主眼を置いている。

鴻池運輸は、現場の知見を尊重しながらデジタル化を推進するパートナーとしてHacobuを選定し、開発プロジェクトを開始した。

開発を目指す配車システムは元請事業者名、実運送事業者名、ドライバー名を一元的に管理することで、担当情報を迅速に把握できるよう後押しする。担当変更や代行運行が発生した際にも、スムーズな引き継ぎが可能になると想定している。



さらに、各車両の売上を可視化し、運行ごとの収益構造を把握できるようサポート。現場単位で採算管理が容易になり、効率的な運用判断につながると見込む。

新システムは、まず対象拠点での運用を通じて検証を進めた後、各拠点の運用をシステムで標準化し、鴻池運輸全社の生産性向上を図る。拠点ごとに蓄積してきた知見をデジタル化の過程で統合することで、新たなイノベーションの創出も視野に入れている。

(藤原秀行)

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