25年度内にグローバル40拠点へ展開、「30年に物流コスト半減」目標達成目指す
Shippioは11月20日、アイシンが注力する物流のDX「DX-L(DX-Logistics)」の取り組みを支援するため連携すると発表した。
アイシンは2023年、Shippioが展開している荷主向け貿易業務効率化支援のクラウドサービス「Shippio Cargo」の利用を開始。貨物輸送状況の可視化と輸送データの活用を進めてきた。
さらに25年度中にはアイシンのグローバル約40拠点へ取り組みを展開し、「2030年物流コスト半減」の目標達成を後押しする。
アイシンは21年、全社横断でDX-Lの活動をスタート。国内・国際を含むサプライチェーン全体で一貫した物の行動履歴可視化を構想しており、物流分野は計画と実績の進捗管理が生産分野と比較して把握できていない点を課題と設定し、活動している。
その中でも国際物流は国内外問わずExcelを使った属人的な輸送状況、在庫管理、従来までの実績を基にした発注リードタイム設定などの点を改善する必要に迫られていた。また、国際物流は新型コロナウイルス禍におけるコンテナ船の混乱を経て本船動静と貨物明細をひも付けたデータ収集の必要性が高まっていた。
アイシンは特にShippioがクラウド内で提供する、船の自動トラッキング機能を活用し、これまでブラックボックス化していた国際物流における船の正確なスケジュールデータをリアルタイムで取得している。加えて、そのスケジュールデータを、アイシンが保有する貨物明細データと連携させ、サプライチェーン全体の計画と実績の差異を可視化する仕組みを内製で構築した。
現在は月間で約1200件の貿易案件を「Shippio Cargo」で管理している。
今後は「Shippio Cargo」を活用した”スルー可視化”の仕組みを、2025年度中にアイシンのグローバル約40拠点に展開。世界規模でサプライチェーンを最適化していきたい考え。
さらにアイシンが提唱する「Cyber/ Physical Information Factory」とのコンセプトに沿って、蓄積した国際物流の行動ログデータの高度な分析・活用も協働して進める。リードタイムの精度向上や在庫の最適化、物流シミュレーションなどを可能にし、2030年までに物流コスト半減の目標達成を確実にしていきたい考えだ。
「Cyber/ Physical Information Factory」は工場の全ての人や物をデータでつなぎ、様々なフィジカル空間(実世界)の情報をサイバー空間(仮想世界)に集めてデータ分析できるようにし、その結果をフィジカル空間にフィードバックして課題解決や新たな価値の創出を目指すというものづくりのコンセプト。
(藤原秀行)




