【現地取材】自動フォークのハクオウロボ、海外でもテスト販売へ

【現地取材】自動フォークのハクオウロボ、海外でもテスト販売へ

プロロジスのインキュベーション施設利用スタートアップ3社が製品・サービス紹介、企業の滞留在庫解消なども展開

プロロジスは11月27日、東京都内の本社で、同社が開発した物流施設内に設置し、スタートアップの技術開発などをバックアップするインキュベーション施設「inno-base」(イノベース)の利用企業が自社の製品・サービスをアピールするピッチと交流イベントを初めて開催した。

自動フォークリフト「AutoFork」(オートフォーク)の開発を進めているハクオウロボティクス、企業の余剰在庫の有効活用をサポートしているxNEXT(クロスネクスト)、中国製の配膳・業務用清掃ロボットを取り扱っている日本AIセンターホールディングスの3社が登場。

荷主企業の関係者約30人を前に、それぞれが担当している製品などの有効性をアピールし、物流業界の人手不足や企業の滞留在庫解消などの課題解決に貢献していくことへの強い決意を示した。


プロロジス本社でのピッチの様子

ハクオウロボの塩原努COO(最高執行責任者)は、自社の目指す姿として「さまざまな機器を結びつけて人がモノを運ばない全自動化された物流」を掲げていることを紹介。オートフォークが自動倉庫やAGVなどの間を結ぶことで大規模な全自動搬送システムが完成するとメリットを強調した。

今年12月に量産モデルの出荷をスタートし全国に拡販していく方針を表明。既に大手物流企業などの引き合いを得ていることに触れるとともに、26年末には海外でもテスト販売する予定を明らかにした。

ターゲットとしている小型フォークリフト市場は年間で210万台(販売数)に上っており、ハクオウロボとしては「シェア6%、6万台を狙いたい」との考えを示した。


ハクオウロボ・塩原氏

xNEXTの松本和浩代表取締役は、メーカーの滞留在庫や、賞味期限が迫るなどの「切迫在庫」を割安な価格で直接仕入れ、企業の福利厚生の一環として従業員が安く購入できるようにするサービスを展開していることを報告。中間マージンが必要ないことなどから最大で90%の割引が可能になるとメリットをアピールした。

今後の展開については「メーカーの在庫を買い取っていたが、その在庫がどんどん減ってきている (プロロジスの物流施設に)入居しているEC事業者や小売店舗からの返品をプロロジスさんと組んで取りに行きたい」と話した。


xNEXT・松本氏

日本AIセンターホールディングスの安倍正貴社長は、ソフトバンクロボティクスと連携し、中国のPudu Robotics(プードゥ・ロボティクス)のAMRを日本の物流現場などへ積極的に提案していくことをPRした。


日本AIセンターホールディングス・安倍氏

(藤原秀行)

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