【現地取材・動画】EVトラックのバッテリー、蓄電池として再利用

【現地取材・動画】EVトラックのバッテリー、蓄電池として再利用

三菱ふそうが実証中の急速充電器を公開、安心して車両使える環境の整備目指す

三菱ふそうトラック・バスは11月25日、川崎市の「川崎製作所」で、2022年に開始した電気小型トラック(EVトラック)「eCanter」(eキャンター)の使用済みバッテリーを再利用する取り組み「バッテリーライフサイクルマネジメント」に関するメディア向けの説明会を開催した。

マネジメントの一環として同製作所の敷地内に配置している、使用済みバッテリーを再利用してeキャンターを高出力で充電できるようにしている「定置型蓄電システム(急速充電器)」を公開した。災害時に電気を供給することも可能という。


定置型蓄電システム(急速充電器)


中に16個の中古EVバッテリーが入っている


中古EVバッテリーを生かして急速充電が可能に

現在、次世代型の蓄電池や蓄電システムの開発を手掛けるベンチャーのCONNEXX SYSTEMS(コネックスシステムズ、京都府精華町)と組み、川崎製作所や京都で同システムの実証を続けている。

eキャンターは現状、バッテリーを8年程度で交換しているが、三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMSはバッテリーを蓄電池に充てることで使用可能な期間を5~8年伸ばせるとみている。EVトラックを安心して使える環境を整えることにもつながり、物流業界にもメリットは大きいと想定している。

また、中古のEV用バッテリーは車両によって使用環境が大きく異なるため、性能などに差があるが、CONNEXX SYSTEMSの技術を駆使し、中古EV用バッテリーを「群」として展開することで、性能や寿命を均等にできるとみている。

三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMSは2026年をめどに、使用済みバッテリーを蓄電システム・急速充電器として活用するサイクルを確立したい考え。

この日は同製造所内で、eキャンターなどを製造しているラインも公開した。従来のディーゼルエンジントラックとEVトラックを同一の生産ラインで製造する「混流生産体制」を実現し、業務の効率化を果たしたことなどを明らかにした。

(藤原秀行)

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