答申案公表、一般の意見公募の上法改正へ
総務省は8月7日、情報通信審議会の郵政政策部会(部会長・米山高生東京経済大教授)が取りまとめた郵便局の利便性向上などに関する答申案を公表した。
答申案は、日本郵政グループの日本郵便が手紙やはがきの利用減少、配送現場の人手不足などを踏まえて要望していた郵便物の土曜日配達と翌日配達の廃止を認める方針を明記。同時に国民への十分な配慮を訴えた。
同省は答申案の内容について8月8~27日の間、一般の意見を募集した上で、関連法を改正したい考え。ただ、かんぽ生命保険が商品を不適切に販売していた問題で日本郵政グループへの批判が高まっており、法改正には時間を要する可能性がある。
現在は法律で1週間のうち6日以上郵便物を配達することや、国内で郵便物が差し出されてから原則3日以内に届けることが義務付けられている。日本郵便は普通郵便に関し、配達を「週5日」に緩和して土曜日を取りやめるとともに、「原則4日以内」に変更して配達日数を1日繰り下げることを求めている。速達や書留などは従来通りとする方針。
答申案は、総務省のアンケート調査で土曜日の配達や翌日配達の取り止めに関して受け入れ可能と答えた割合が7割以上になったことなどに言及。
「利用者が重きを置かなくなったことが明らかな配達頻度、送達日数の部分について見直すことで、『あまねく、公平に』提供するための費用を下げ、『なるべく 安い料金』を維持することを可能とするよう制度を見直す方が、社会全体としての便益は大きくなると考えられる」との見解を示し、日本郵便の要望は必要な見直しと判断している。
(藤原秀行)