【動画】清水建設が埼玉・新座で開発の大規模マルチ型物流施設を公開

【動画】清水建設が埼玉・新座で開発の大規模マルチ型物流施設を公開

13・2万平方メートル、9月入居開始・AI活用の早期火災検知システム採用

清水建設は8月22日、埼玉県新座市で開発中の大規模マルチテナント型物流施設「S・LOGI(エスロジ)新座 West」をロジビズ・オンラインなどのメディアに公開した。

「West」は地上4階建て、延べ床面積13万2036平方メートル。今月末に工事が完了、9月1日にテナント企業が入居を開始する。既に床面積の約75%で物産ロジスティクスソリューションズやプラスロジスティクスなどと契約を締結したほか、残る区画も複数の企業から引き合いが来ているという。

同社は隣接するエリアでBTS型2棟の物流施設開発を進めており、このうち「S・LOGI新座 East1」(延べ床面積3万8835平方メートル)は2020年1月の完成を見込む。もう1棟の「S・LOGI新座 East2」(2万平方メートル)は19年度内にも工事を始め、21年夏をめどに完成させたい考えだ。


「S・LOGI(エスロジ)新座 West」の上空写真(清水建設提供)



新たな取り組みとして、同社が独自に開発した、AI(人工知能)を活用した「早期火災検知システム」を採用。さらに物流センターでトラックが長時間の待機を迫られている問題を受け、「車両管理・誘導システム」も設置、混雑緩和とドライバーの負荷軽減への貢献を目指す。

清水建設は大手ゼネコンとして物流施設などの建築を請け負うのと併せて、自社で1500億円の投資枠を設定し、国内外でさまざまな不動産の投資開発事業を展開。これまでにオフィスビルやホテル、マンションなどのアセットを手掛けており、同社自身で開発する物流施設の案件としては「West」が過去最大規模となる。新座の3棟を合わせた投資額は約400億円。


最上階の4階は梁下有効高8メートル超のエリアも有する

明るい雰囲気のカフェテリア

外を眺望できるエリアも設置

コンビニも開設

JR貨物駅から1キロメートル、モーダルシフト需要に配慮

3棟は新座市の区画整理事業の一環として推進。都心から25キロメートル圏内に位置し、関越道の所沢ICから約2キロメートル、外環道の和光ICから約7キロメートル。広域をカバーできる配送拠点としての活用を見込む。JR貨物の新座貨物ターミナルまで約1キロメートルと至近で、モーダルシフトにも対応できるよう配慮している。

「West」は大型のマテハン機器導入にも対応可能とするなど、入居企業の多様なニーズに応じられる「可変性」を重視した設計を採用。1階は低床バースや冷蔵設備を導入できるようにしている。

さらに新座市が環境保全に注力していることを重視し、「West」でも敷地内の植栽に地域在来種を使うなど、多様な生物が生息できる「生物多様性保全」も推進。「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」を取得した。

屋上では太陽光発電を行い、約2000キロワットを売電するとともに、震災などで停電した際は非常用発電機と合わせて施設内に送電することを計画している。

「West」内で同日記者会見した清水建設投資開発本部の渡邊哲郎プロジェクト推進一部長は「建築事業で重ねてきた経験も活用し、自社で企画から設計、施工まで手掛けることで施設の付加価値を高めることができた。地盤も非常に良好で液状化リスクも低く、BCP(事業継続計画)の面でもテナント企業の皆さまのお役に立ちたい」と語った。


JR貨物の新座貨物ターミナルから約1キロメートル

1階の中央は車路スペースとしても利用できるようにするなど「可変性」を重視

オリジナルのデザインを施したエントランス

会見する渡邊氏



(藤原秀行)

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