未利用食品を活用しロス解消も図る
子育て支援事業などを手掛けるスタートアップのネッスー(東京都世田谷区代沢)は10月1日、ひとり親など児童扶養手当受給世帯を支援する専用の買い物サイト「チアドン」のサービス検証を開始したと発表した。
チアドンは、子育て家庭の「家計」と「時間」の負担軽減を目指し、日常的に利用する食品を手に取りやすい価格で販売、自宅まで配送するECサービス。福岡は10月1日、首都圏(東京・神奈川・埼玉)は10月12日にそれぞれ販売を始める。
物価高騰が続く中、ひとり親などの児童扶養手当受給世帯をサポートするとともに、食品ロスの解消にもつなげることを想定している。

こども家庭庁の調査研究では、ひとり親世帯の1カ月当たりの消費支出は平均22万6000円で、そのうち「食料」は5万4100円と最も大きな支出項目になっていた。

また、ひとり親(母子)では「自分のための時間を持つことができない」と感じる割合が30.2~36.1%に達した。10歳未満の子どもがいる母親の場合、平日の仕事・家事・育児の時間が計9.5時間に達し、仕事時間はふたり親の母親より2.1時間長くなっている。
ネッスーは毎日の買い物に要する時間や手間を減らすことも、子育て家庭の生活負担の軽減につながるとみて、チアドンを展開している。


食品業界でも、食品ロスの削減や未利用食品の有効活用が課題となっており、農林水産省によると、2024年度の事業系食品ロスは237万tに上っている。品質や安全性に問題がなく、賞味期限まで日数が残っていても、納品期限などの商慣習や商品の切り替え、在庫状況などによって、通常の流通ルートでは取り扱いにくくなる食品が存在している。
ネッスーは、「未利用食品の活用推進コンソーシアム」を通じて未利用食品を活用し、食品を手に取りやすい価格で継続的に届けられる仕組みづくりを整備してきた。
チアドンは、国分グループ本社とネッスーが、味の素、カゴメ、Umiosの3社を正会員企業代表に迎え、今年5月に発足した「未利用食品の活用推進コンソーシアム」で構築してきた商流・物流の仕組みを活用している。
コンソーシアムは、食品卸売業や食品メーカーなどの食品関連企業が連携し、商慣習上やむを得ず発生する未利用食品を、必要とする世帯や団体へ継続的に届ける活動を進めている。
既存の商流・物流によって商品取引に要する手間や物流コストを削減し、食品関連企業が自社で抱える未利用食品をこども支援へ活用することを促進している。今年10月時点で食品メーカー16社が参画している。
チアドンは食品メーカーや卸売業などから提供される未利用食品を中心に、「ソーシャル・プライシング」(提供先を支援を必要とする世帯・団体に限定し、事業継続に必要なコストを踏ま
えて設計した独自の有償提供の手法)により価格を設定。複数企業との連携によって仕入れや物流の仕組みを構築し、アカウント登録者に毎月付与するポイントを活用することで 通常小売価格より約20%割安に商品を購入できるという。

食品などをスマートフォンから注文し、自宅で受け取ることができる。店舗へ足を運ぶ時間や、重い荷物を持ち帰る負担を減らし、毎日の買い物をサポートする。
利用登録時には、マイナンバーカードによる公的個人認証を導入。本人確認と利用資格の確認をオンラインで行うことで、安全な本人確認を即時に可能としながら、対象となる世帯へ確実にサービスを提供できるよう配慮している。

(藤原秀行)※いずれもネッスー提供











