三菱地所など3社が国産CLT材活用した物流施設などの柱保護根巻を共同開発、従来のコンクリ製品より製造期間大幅短縮見込む

三菱地所など3社が国産CLT材活用した物流施設などの柱保護根巻を共同開発、従来のコンクリ製品より製造期間大幅短縮見込む

水を使わない乾式工法も

三菱地所、高島、MEC Industryの3社は10月8日、国産木材から製造するCLT(木の板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大判パネル材)を活用した新たな柱保護根巻「KiNEMAKI」(キネマキ)を共同で開発、同日に発売したと発表した。

同製品は物流施設など建物の鉄骨柱に巻き付け、フォークリフトの接触などから守る。三菱地所の物流施設「ロジクロス」シリーズとして2026年8月に竣工した大規模マルチテナント型物流施設「ロジクロス三郷」(埼玉県三郷市)で先行して採用した。



従来のコンクリート製品より、製造期間を大幅に短縮できると見込む。

CLTパネルを現場で組み立てる乾式工法(水を使用しない工法)を採用し、現場工程を削減することで施工期間短縮を図る。

また、木材と内部素材による衝撃吸収性に加え、破損時には1面単位で交換できる構成を取り入れており、倉庫運用開始後の維持管理負担の軽減にも寄与できるとみている。

さらに、国産木材の活用と木質の意匠により、環境に配慮した温もりのある物流空間づくりにも寄与すると想定している。

物流施設では、鉄骨柱の柱脚部にコンクリート製の根巻を設けるのが一般的。ただ、現場施工のコンクリート根巻は、配筋、型枠、打設、養生、脱型、表面補修など、供用開始までに複数の工程を要する上、供用開始後に破損した場合は、補修や交換に一定の手間を要するのが課題だった。

三菱地所とMEC Industryは、物流施設の開発と国産材を活用した製品開発の知見を生かし、施工時だけでなく施設運用後のメンテナンスにも配慮した柱保護根巻の開発に着手。柱保護材の施工や商品開発の知見を持つ高島と連携し、「物流の未来を、木の力で支える。」をコンセプトに、「KiNEMAKI」の開発にこぎ着けた。



木材の活用で建築業界全体の課題となっている「エンボディドカーボン」(建物やインフラの建設に関し、冷暖房や照明などを運用する際のエネルギー消費を除いた、資材の調達・製造、輸送、施工、改修、解体・廃棄のプロセスで出る温室効果ガス)の削減効果を見込んでおり、物流倉庫やデータセンターといった大型建築でも課題となっている環境配慮対応もカバーする。

同体積の鉄筋コンクリートとCLTパネルを比較した場合、鉄筋コンクリートに比べて重量は5分の1以下という。

本製品は、工場で製作したCLTパネルを現場で組み立てる乾式工法を採用しており、現場施工のコンクリート根巻で必要となる型枠の組立・解体、コンクリート打設後の養生、表面補修等の工程を削減、施工期間の短縮につなげられると強調している。

パネルは1枚当たり21.1kg(250mm角鉄骨柱用、勝ちパネルの場合)で、搬入・運搬や現場での取り回しにも配慮している。

CLTパネルと、その内側に配置する緩衝材・耐火被覆材で構成する多層構造により、衝突時の衝撃を吸収する仕組み。耐衝撃試験で性能を確認しており、鉄骨柱の保護に加え、衝突するフォークリフトなどへのダメージ軽減も図っている。

また、ボルト接合と床面に土着しない構造により、破損した面のみの交換を可能にしている。軽微な損傷には木材用パテによる部分補修も可能で、施設運用後のメンテナンス負担の軽減に寄与すると期待している。




※衝撃試験では、フォークリフトの衝突を想定し、最高速度14.5km/hでの衝突時に想定される衝撃荷重を大きく上回る145kNの荷重を与えて検証を実施。想定衝撃荷重の約3倍でも鉄骨柱の保護性能を確認済みという

木材利用を通じた炭素固定効果に加え、天然木の木目を現しとした仕上げにより、無機質になりやすい物流空間に温もりのある空間をもたらすと解析。本製品を50本使用した場合、約6.96㎥の国産CLT材を活用し、約4.2tの炭素固定(CO2換算)効果を見込めるという。

■本製品の概要                                        
・製品名:KiNEMAKI(キネマキ)
・使用素材:国産CLT材、緩衝材、耐火被覆材
・CLT材規格:90mm(3層3プライ)、JAS材
・材料重量※2:負けパネル…約13.8kg/枚
        勝ちパネル…約21.1kg/枚
・仕上げ:水性塗料を塗布

(藤原秀行)※いずれも大成建設提供)

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