市当局の大気汚染対策でFC技術を活用
トヨタ自動車は9月15日、米カリフォルニア州で計画されている環境負荷低減プロジェクトに参画すると発表した。
北米法人である「トヨタ・モーター・ノース・アメリカ」(TMNA)を通じて、ロサンゼルス市港湾局が実施主体の「貨物輸送のゼロ・エミッション化」プロジェクトで燃料電池(FC)技術を活用した大気汚染物質の削減に取り組む。
ロス市港湾局(POLA)は港湾エリアを中心にFCトラックなどを導入し、大気汚染物質の影響が大きい地区での排出削減を図る。将来的には港湾外にも取り組みエリアを拡大して「大気汚染物質を排出しない物流オペレーションを広範囲で構築」(トヨタ自動車)することを目指す。
トヨタは米トラックメーカーのケンワースとFC大型商用トラック10台を導入、また石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは水素ステーション2基を新設する。
年当たりの試算では温室効果ガス465トン、窒素酸化物やPM10などの有害物質0.72トンをそれぞれ削減できると見込む。
同プロジェクトはカリフォルニア州大気資源局(CARB)の補助金プログラムにおける交付候補で、正式承認された場合は事業費約8300万米ドルのおよそ50%が助成されるという。
(鳥羽俊一)