アンダーアーマー“魂の息吹く物流センター” [2017年11月4日 執筆]

アンダーアーマー“魂の息吹く物流センター” [2017年11月4日 執筆]

※この記事は2017年11月4日に執筆されたコラムを再掲載したものとなります。

米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店ドームは昨年5月、“魂の息吹く物流センター”をコンセプトに開発した「ドームいわきベース(DIB)」を福島県いわき市に稼働させた。

投資総額は約100億円。約10万平方メートルの敷地に延べ床面積5万3千メートルの物流センターと、ドームがスポンサーを務めるプロサッカークラブ「いわきFC」のクラブハウス、専用サッカーグラウンド、商業施設を併設している。

震災復興を後押しするため、地元いわき市の高校新卒者を中心に採用した100人余りの若手社員に加えて、いわきFCの現役サッカー選手約30人がDIBの庫内作業に就いている。旧施設では物流会社に業務を委託していたが、DIBの稼働を機に自社化した。


「ドームいわきベース(DIB)」 プロサッカークラブ「いわきFC」の専用グランド、クラブハウス、複合商業施設を併設している。


ピッキングゾーン

同社の物流部長は「物流を外部に任せている限り、われわれの思いはお客様に伝わらない。改革や改善も進まない。高いモチベーションを持った社員が自分たちで倉庫を運営することで、もっと良いサービスを届けられるようになる。物流を会社の武器にできる」という。

自前主義をとれば固定費負担が増える。人件費も割高になる。それでも、コストよりサービスを優先することが、最終的には会社全体の利益になるという考え方を明確にして、DIBを24時間365日稼働させている。

そのために“EAT BIG, LIFT BIG, GET BIG”(ビッグに食え、ビッグに挙げろ、ビッグになれ)という標語を壁にペイントした併設の社員食堂で、スポーツサプリメント「DNS」のスタッフが監修したオリジナルメニューを朝昼晩の1日3食提供している。


現役サッカー選手も現場作業に従事している

センター内の社員食堂の壁には「ビッグに食え、ビッグに挙げろ、ビッグになれ(EAT BIG, LIFT BIG, GET BIG)」のスローガン※クリックで拡大

毎朝、本社の基幹システム経由で送られてくる注文をDIBで確認して、その日の作業計画を組み立てる。ドームは直接取引を方針としているため、量販店はもとより全国の中小スポーツ用品店にもDIBから直接出荷する。

自社オンラインサイトの物流も処理している。午前11時までの注文を当日中に出荷する。1日当たりの平均出荷量は現状が約10万ピース。旧施設は最大6万ピースだった。稼働時間が長くなったことに加え、1時間当たりの処理能力が2割程度上がったという。1日最大20万ピースまで出荷能力を引き上げることをゴールに定めている。

(大矢昌浩)

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