【独自取材】牛肉の輸出履歴追跡システム「日本に大きな利益」と早期普及に自信

【独自取材】牛肉の輸出履歴追跡システム「日本に大きな利益」と早期普及に自信

米ベンチャーのハードエックスCEO、羊肉の国際貿易にも適用拡大目指す

UPSエンタープライズ・アカウンツ担当のテリー・タット・マネージング・ディレクターと、先端技術を駆使して農業を変革する「アグリテック」を追求している米ベンチャー企業ハードエックス創業者のロン・ヒックスCEO(最高経営責任者)は11月9日、東京都内でロジビズ・オンラインなどの取材に応じた。

両氏はUPSとハードエックスが連携して開発した、牛肉の生産・流通履歴を精緻に把握できる最新のトレーサービリティーシステムについて、米国産牛肉を輸出する際に品質や安全性を担保する上で非常に有意義と強調。近く日本向け牛肉の輸出・流通過程で本格的にシステムの活用を始める見通しを明らかにした上で、日本の消費者へ受け入れられることに強い自信を見せた。

また、ヒックスCEOは今回確立したトレーサビリティーシステムが国際的な標準として用いられるよう関係者に働き掛けていく考えを表明。米国からの牛肉に加え、将来はニュージーランドから輸出する羊肉(ラム)にも同様のシステム適用を目指していく姿勢を見せた。


撮影に応じるUPSのタット氏(左)とハードエックスのヒックスCEO

「データはマーケティングにも活用可能」とアピール

ヒックスCEOはシステムのメリットとして、飼育グループ単位で牛が米国のどの農家で育てられ、どのような経路で日本に輸出されたかといったサプライチェーン上の流れを、一般の消費者も容易に追跡できると強調。「こうしたデータはBtoCのマーケティングにも活用が可能で、システムを運用していく中で事前の供給量や頻度といった情報を提供することにもつながる」と語り、生産農家と小売事業者ら双方にとって有益になると訴えた。

システムの開発・運用に際してはグーグルやマイクロソフトの協力を得ていると説明。自社のシステムと厳格な温度管理を提供しているUPSのコールドチェーン輸送を組み合わせることで、システムの付加価値が向上できるとの見方を示した。

日本企業への対応に関しては「まだパイロット的な事業を進めている段階ではあるが、今後具体的に(小売・飲食事業者や関係機関など)さまざまな関係者と話を進めていきたい。日本は世界で最も洗練されたバイヤーが存在しているマーケットであり、システムは大きな利益をもたらす」とアピール。

システムが日本で普及する時期の見通しについては「具体的なことはまだお話できないが、かなり近くという形で申し上げたい。グーグルやマイクロソフトもこうしたシステムはできるだけ早く関係者に提供できるようにすべきだと確信しており、私も同感だ」と指摘した。

タット氏も、ブロックチェーン技術を生かして品質と安全性を保証するシステムについて「レストランや食品、飲料、小売業といった多様な業界に恩恵をもたらす」とPR。自社の国際低温輸送サービスの付加価値も拡大させられると期待感をのぞかせた。

(藤原秀行)

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