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【独自取材】「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」

【独自取材】「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」

日本GLP・帖佐社長独占インタビュー(後編①)

「先進的施設を物流の存在意義伝えるメディアとして活用」(前編①)

「アルファリンクのコンセプトはより進化・成長させる」(前編②)

「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」(後編①)

「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」(後編②)

日本GLPの帖佐義之社長はこのほど、ロジビズ・オンラインの独占インタビューに応じた。

帖佐社長は物流施設開発について、顧客企業のニーズを着実に押さえた機能やサービスを取り入れていることが好調の大きな要因と分析。その一例として、神奈川県相模原市の超大型施設「GLP ALFALINK 相模原Ⅰ」で出荷・集荷業務効率化につながるトラックターミナル入居を実現したことを挙げ、今後も地道に機能やサービスレベルの向上を図っていく姿勢を強調した。

また、大量供給が見込まれる首都圏や関西圏では引き続き需給のバランスが逼迫しており、現時点で自社の開発を抑制する考えはないと明言、大規模な開発でもテナント企業にとって魅力ある案件に仕上げられることへの強い自信をのぞかせた。前編に続いて発言内容を紹介する。


インタビューに応じる帖佐社長(中島祐撮影)※クリックで拡大

千葉・流山のプロジェクトは「早期のリースアップ見えている」

――物流施設の大規模開発という意味では、新ブランド「ALFALINK(アルファリンク)」の第1弾となる神奈川県相模原市の案件と併せて、千葉県流山市で計8棟を建設するプロジェクトが続いています。顧客の反応はいかがですか。
「2020年には2棟着工します。今のところ2月と7月の予定ですが、その部分の引き合いもかなり確度の高いところでお客さまとお話をしていますし、実は来年以降着工の部分でも既に引き合いをいただいているところもあります。新たに開発する5棟の分についてもかなり早いペースでリースアップすることが現実的に見えてきています」

――8棟からさらに開発していく可能性は?
「どうなるかは分かりませんが、今はとにかく計画している1棟1棟を着実に進めていくということに尽きます」

――「アルファリンク」は相模原の案件以降の展開をどう考えていますか。
「候補地は関西に複数あり、中部でも存在しています。うまく用地を仕込むことができれば、確実にアルファリンクのブランドを冠した物流施設として開発していいかなとは思っています」

――今年は全体で8棟着工とのお話でしたが、例年に比べてもかなり早いペースでは?
「確かに19年が4棟でしたから、20年に寄っている感じはありますが、それは本当にたまたまこうなった結果です。棟数は非常に多いですが、お客さまが既に内定しているスペースは現時点で半分近くに達しています」

――既存の開発物件を見ても稼働状況が非常に好調です。
「今、物流施設を主な投資対象としているJリートが9社ありますが、内部成長率を見ていただくと、どの項目を取っても当社がスポンサーを務めているGLP投資法人のパフォーマンスが一番良くなっています。再契約率、賃料上昇率、稼働率といった項目のいずれも好調です」

――その要因はかねてお話しされているリーシングの力ということでしょうか。
「例えば、アルファリンクとして神奈川県相模原市で開発する『GLP ALFALINK相模原Ⅰ』は上層階にトラックターミナルを設置し、佐川急便と西濃運輸の2社が入居されることが決まっています。地域と中長距離の両方のターミナルが入ります。これはすごく大きい。ターミナルが24時間受付してくれるので、テナントのお客さまにとっては横持ちの時間とコストの削減につながりますし、受付時間の締め切りを気にしなくてよくなります。ものすごく利便性が高まる。そういったお客さまにとって必要なもの、皆さんが求めるサービスやスペックを確実に物流施設へ取り込んできているのは明らかにわれわれの強みだと思います」
「なぜそれができているかと言えば、やはり営業担当者やプロパティマネージャーといった当社のスタッフがお客さまに寄り添っているからです。場合によってはお客さまの社内の戦略会議にも参加しているほどです。それほどの信頼関係を結ぶことができていれば、今何が求められているかは分かります。そうしたことを施設開発に取り込んできているあたりが、先ほどお話ししたJリートの成長率の数字にも表れているのではないかと思いますね」


流山の全8棟完成イメージ(日本GLP提供)※クリックで拡大

アメニティー設備拡充「目玉にするのは本末転倒」

――強固なリーシングの体制はいつごろからできましたか。
「意識はずっとしていますし、うちの営業のヘッドは現在のような賃貸物流施設の業界ができる前からブローカーとして物流不動産を扱ってきています。まさに30年の歴史がある。当時お客さまで担当されていた方々は今皆さん役員になっています。彼は日本中の物流業界の経営トップや役員の方々とつながっていますから話は非常に早いです」

――それだけの関係は一朝一夕には構築できません。
「その通りです。当社はいろいろなことに取り組んでいますが、別にセンセーショナルなことをやっているつもりは全くありません。これまでぼんやりしていたもののピントをぎゅっと合わせて商品提供しているとか、そうそう欲しかったものはこれなんだよね、とお客さまに仰っていただけるものを当社は提供しているだけです。センセーショナルだとか、奇抜なものとか、今までにないとか、そういう発想は少なくとも私の中には全くない。アルファリンクもブランドは新しいけれども、サービスの中身はある意味当たり前といいますか、こういうものが求められていたんだというものをぎゅっと凝縮して提供しているものです」
「ここ数年、物流施設のアメニティー拡充競争みたいなことが展開されてきましたが、私自身はすごく冷静に見ていました。物流施設をお使いになる方々とか、もっと言えば物流業界の発展に何が必要なのか、何が求められているのかを考えて提供していくとするとなると、実はセンセーショナルや奇抜なものではなく、ごく当たり前のものになります。例え物流業界初であっても、お客さまが必要とされていない、無駄なことをやっても仕方がありません」

――アメニティー設備に関しては残念ながら十分使われていないものもあると聞きます。アメニティー設備の差別化については相当出尽くした印象があります。
「物流施設が無機質になるのはお使いになる方々にとってもつまらなくなりますから、いわば“遊び”としてアメニティー設備の充実を図るのは非常にいいことだと思います。しかし、それが先進的物流施設を開発する際の目玉とアピールされるのは本末転倒です。少なくともそこがメーンではないでしょう」

――20~21年も首都圏や関西圏を中心に先進的物流施設の大量供給が見込まれています。御社として事業戦略を変える可能性はありますか。
「いつも首都圏、近畿圏、それ以外の地方エリアでの開発の目安として比率が60:30:10とお話ししていますが、若干地方の割合を増やしてもいいかなとは思っています。あとは、先ほども申し上げた通り、いろんな機能を持たせられる大型開発にはもっと力を入れてやっていきたいですね。需給バランスが逼迫しているのはこれからも変わらないと思いますし、新規供給量が多いから開発を控えるというようなことは、今のところは考えていません」

――地方はどこを念頭に置いていますか。
「今度九州で手掛けますし、中国地方でも開発していきたい。地方エリアはしばらく供給が止まっているところが結構あるので、そういうところはまた、そろそろもう1回プロジェクトを進めてもいいタイミングに来ているのかなという気はします。首都圏と近畿圏は常時需要がありますが、地方はマーケットが小さいですから、数年に1回、需要が蓄積されるサイクルが来るということですね」

――大規模開発はそもそも用地取得が困難です。
「確かに難しいですし、候補の数は少なくなりますが、その一方で競争入札にもならないので価格競争にさらされにくいという利点はあるかなと思います。これだけ開発実績があるし、需要はかなり深いところまで当社は把握しているので、規模的なリスクに関しては十分精査できる性質のものと考えています。大型の用地は単体で施設を建設するよりも魅力的なものを造り出せると思いますので、注力していくのは非常に合理的でしょう」

――年に1件くらいとの想定でしょうか。
「1件と限らず、チャンスがあればチャレンジしていきたいですね」

「先進的施設を物流の存在意義伝えるメディアとして活用」(前編①)

「アルファリンクのコンセプトはより進化・成長させる」(前編②)

「大量供給続いても需給は逼迫、物流施設開発を抑制せず」(後編①)

「トランコムや三井物産との協力関係は順調に進捗」(後編②)

(藤原秀行、中島祐)

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