220超の企業・団体など、先進技術を競う
国内最大級の物流に関する展示会「国際物流総合展2020 -INNOVATION EXPO-」が2月19日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。
21日までの3日間の会期中、「労働力不足」をテーマに220を超える企業や団体などが最先端のロボットやマテハン機器、ソフトウエア、ソリューションなどを出展。人手不足という深刻な危機をチャンスに好転させるヒントを競って提示する。現場の省人化に向け、まさにロボットやマテハンなどを総動員して臨もうとする業界関係者の強い意欲が伝わってくる展示内容となった。
総合展は1994年の初開催以降、2年に1度のペースで実施してきたが、来場者から好評を博しているため、今回は昨年に続いて2年連続で実施することとなった。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)、日本能率協会、日本産業機械工業会、日本産業車両協会、日本パレット協会、日本運搬車両機器協会、日本物流システム機器協会の7団体が共催している。
今回は新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、主催者は全ての入り口にサーモグラフィーを設置し、発熱している人をすぐに見つけ出せるようにするなど対応に追われた。主催者の関係者は「途中まで設営しながら会社側から中止の指示が出て、やむなく出展を取りやめた企業が出るなど、感染拡大の影響はかなりあった」と明かした。
AGVやAMR、ORVと3文字だらけ
会場で存在感を発揮しているのは、やはり物流現場の作業効率化に資するロボットたちだ。マテハン設備を取り扱うジャロックは、国内販売代理店契約を結んでいる中国のマルイノベーション製AGV(無人搬送車)を発表。棚の下に潜り込んで持ち上げ、ピッキング作業エリアまで運ぶタイプで、中国のEC大手、京東商城(JD.com)傘下の京東物流などへの納入実績を重ねている。
オカムラは開発中のORV(自律移動ロボットかご車搬送タイプ)をお披露目。寺岡精工も自律走行式ピッキングカートを出展した。シーネットは2月に販売をスタートした運搬支援のAMR(自律型協働ロボット)を発表した。本体はシリウスが製造を担当している。
シーネットのAMR
フィブイントラロジスティクスはAMR型仕分けロボット「ジェニアント」をアピール。東芝インフラシステムズはパレットに積まれた荷物を自動で降ろす直交型荷降ろしロボットを展開した。
フィブイントラロジスティクスのジェニアント
東芝インフラシステムズの直交型荷降ろしロボット
ロボット以外のユニークなところでは、日本製紙ユニテックとトーモクが販売している自動封かんシステム「e3neo Evo Cut’it!」が多くの来場者の関心を集めていた。段ボール箱の中に入れられた商品の高さを自動的に測定し、箱を最適な高さに加工するのが特色だ。
物流を支えるバイプレーヤーとして、デュプロの自動丁合機も登場。梱包する箱の中に同封するカタログなどを高速で折り畳めるため、EC業界からの関心が強いという。
デモを行う「e3neo Evo Cut’it!」
デュプロの自動丁合機
(文・川本真希、藤原秀行 写真・中島祐)