OECD予想、リーマンショック後のマイナス以来11年ぶりの低水準に
経済協力開発機構(OECD)は3月2日、世界経済の実質成長率が2020年は2・4%になるとの予想を発表した。新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大の影響で人の移動が減少したり貿易が落ち込んだりすることが響くとみて、19年11月の前回予想から0・5ポイント下方修正。19年実績の2・9%から減速すると見込む。
リーマンショック後にマイナス成長となった09年以来、11年ぶりの低水準にとどまるとみている。予測は中国で感染拡大が3月中にピークを迎え、他の国でも状況が落ち着くことを前提に据えており、感染の収束が遅れた場合は1・5%程度まで失速する可能性があると分析している。
ただ、21年の成長率は前回予測より0・3ポイント上方修正の3・3%と予測。各国の経済対策の効果などで浮上すると見込んでいる。
中国は20年の成長率が4・9%と前回予測から0・8ポイントダウン。新型コロナウイルスの影響を大きく受け、1990年以来の低い伸びにとどまると試算している。半面、21年は6・4%で、19年の水準(6・1%)に戻るとのシナリオを見込む。
米国は20年が1・9%で、前回予測から0・1ポイント下げたものの、中国ほどの打撃は受けないとの見方を示唆。21年は2・1%と設定している。
日本は20年が従来予測から0・4ポイント引き下げ0・2%に修正。中国人観光客の激減などが響くと算定している。21年は0・7%で、19年と同水準になると仮定している。
(藤原秀行)