【独自取材】プロロジス、火災あった宮城・岩沼で物流施設の早期建て替え目指す

【独自取材】プロロジス、火災あった宮城・岩沼で物流施設の早期建て替え目指す

山田社長が表明、教訓踏まえ今後の防火対策に反映

プロロジスの山田御酒社長はこのほど、ロジビズ・オンラインの取材に応じ、宮城県岩沼市で4月30日に火災が発生、全焼したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク岩沼1」の早期建て替えを目指す考えを表明した。

同施設はプロロジスが開発して2008年10月に完成、その後はJリートの日本プロロジスリート投資法人が所有、運用してきた。オフィス部分も含めた延べ床面積は約4万4000平方メートルで、日本アクセスとF-LINE、プラスの社内カンパニーでオフィス用品や保育用品などの通販を手掛けるジョインテックス(現場オペレーションは日本通運が担当)の3社が物流拠点として活用していた。

発生から6日後の5月6日夕刻にようやく鎮火。建物は広範囲にわたって焼け落ち、再利用は完全に不可能な状態となったため、入居していた3社は別の場所にセンターを確保する方向で調整している。

山田社長は火災発生に関し、あらためて関係者に謝罪するとともに、消火活動に参加した消防関係者らへ謝意を表明。年内いっぱいくらいをかけて解体などの作業を進め、更地に戻した上で新たな施設を開発していくとの見通しを明らかにした。

場所は仙台空港の南側にある「岩沼臨空工業団地」の一角で、周辺には数多くの工場や物流拠点などが並んでいる。山田社長は「非常に利便性が良い場所。ここでなるべく早急に建て直し、カスタマーの皆さまにお使いいただけるようにしたい」と説明、高機能の物流施設をあらためて建設することでデベロッパーとしての責務を果たしたいとの認識を示した。現在は建て替え後の物流施設をどの程度の規模にするかなど詳細を検討している段階という。

また、今回の火災を検証し、今後の物流施設の防火対策に反映させていくことに強い意欲をのぞかせた。プロロジスはこれまでにも、大規模な物件には防災センターを設けてプロロジスのスタッフを配置、万が一の際には初期消火を円滑に行えるようにするなど独自の取り組みを続けてきている。

山田社長は「火災をぜひ貴重な教訓として、うまく取り入れていきたい。単に設備を入れて終わりではなく、実効性のある対策を講じたい」と強調した。初期消火をスムーズに行えるようにするための方策などを検討していくとみられる。


火災前の「プロロジスパーク岩沼1」(日本プロロジスリート投資法人ウェブサイトより引用)

(藤原秀行)

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