海外の案件開発で連携も
米投資ファンド大手のブラックストーン・グループが、大和ハウス工業が国内で開発した物流施設4棟を約550億円で取得することが、明らかになった。関係筋によると、いずれも3大都市圏に位置し、「DPL」ブランドのマルチテナント型施設とみられる。
近く正式発表する見通し。ブラックストーンは2019年にも日本国内の複数の物流施設を約1000億円で取得するなど、中長期的に安定した収益を生み出せるアセットとして物流施設に注目している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うインターネット通販の利用拡大で今後も物流施設のニーズが見込めると判断、投資をさらに継続することとした。大和ハウスから取得する施設は中長期で保有、運用する公算が大きい。
大和ハウスは20~24年度の5年間で「DPL」ブランドのマルチテナント型物流施設を68棟完成させる計画を推進。現行の第6次中期経営計画(19~21年度)に盛り込んでいる不動産開発投資計画のうち、物流施設を軸とする「事業施設」への投資額を従来の3500億円からほぼ2倍の6500億円へ引き上げるなど、物流施設開発に軸足を置いている。
同社としては物流施設の有力な譲渡先としてブラックストーンを位置付け、開発資金を着実に得られるようにしたいとの考えがあるとみられる。
ブラックストーンは併せて、大和ハウスが今後、欧米など海外で物流施設を開発する際、情報提供などの面で連携する方針だ。大和ハウスは既にインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムで物流施設開発を手掛けているほか、米国やオーストラリアなどでの展開も視野に入れ、準備を進めている。ブラックストーンの不動産分野における豊富な経験を生かし、海外事業拡大を図りたい考えだ。
大和ハウス工業が米ブラックストーンと欧米の物流施設開発・投資促進で協定締結を正式発表
(藤原秀行)