【新型ウイルス】帝国データ7月企業景況感、「運輸・倉庫」は2カ月ぶり上昇も低水準続く

【新型ウイルス】帝国データ7月企業景況感、「運輸・倉庫」は2カ月ぶり上昇も低水準続く

コロナ禍が影響、「悪い」と回答は10業界中最多

帝国データバンク(TDB)が8月5日公表した2020年7月の景気動向調査(全国)結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が24・2となり、前回6月時から2・7ポイント上昇した。

5月は6カ月ぶりに下げ止まった後、6月は再び悪化してリーマンショックによる経済情勢悪化から立ち直る過程にあった09年6月(20・6)以来、11年ぶりの低さまで落ち込んでいたが、やや持ち直した。

ただ、水準自体は景況感の分かれ目となる50から遠ざかっており、5カ月連続で20台にとどまるなど、深刻な状況が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き運輸・倉庫業界の景況感にとって逆風になっていることをうかがわせた。「運輸・倉庫」は景況感が「悪い」と答えた企業が86・7%で全10業界中、最も多かった。

景気DIを全業種ベースで見ると、7月は1・5ポイント上がって29・1だった。2カ月連続の上昇。TDBは全体の先行きに関し「経済活動の再停滞が最大のリスク要因となる中、低水準での推移が続くとみられる」との見解を示した。

運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに関して「新型コロナウイルスに加えて豪雨水害の影響が出てくる」(一般貨物自動車運送)、「あと半年以上は新型コロナウイルスの影響を受けると判断」(港湾運送)、「新型コロナウイルスによる物流の停滞が続く」(組立梱包)といった厳しい声が聞かれた。

調査は7月16~31日にインターネット経由で実施、全国の1万1732社が有効回答を寄せた。回答率は49・5%だった。運輸・倉庫業は518社が調査に協力した。

(藤原秀行)

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