宅配貨物は通販利用急増で数量など劇的に改善
全日本トラック協会は8月17日、4半期ごとに実施しているトラック運送業界の景況感調査結果を公表した。
業界の景況感を表す指数は今年4~6月期がマイナス112・5で、前期(1~3月)から30・1ポイントと大幅に悪化した。3四半期連続の悪化で、直近ではリーマンショック後の2009年4~6月期(マイナス120)に次ぐ11年ぶりの低水準まで落ち込んだ。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済情勢悪化がトラック運送業界を直撃している姿があらためて浮き彫りとなった。先行き(今年7~9月)の見通しはマイナス110・8とわずかに改善しているものの、依然深刻な状況だ。
個別の項目を見ると、「宅配貨物」に関しては、コロナ禍で外出自粛が広がりインターネット通販の利用が急増したのを反映し、輸送数量の指数が前期のマイナス78・6からプラス78・1、営業収入(売上高)がマイナス64・3からプラス68・8などと劇的に好転しているのが目を引く。しかし、他の一般貨物などは総じて厳しい状況が見られた。
(藤原秀行)