国交省指定の日本海事協会が審査など実施、結果はハローワークの求人票記載など検討
国土交通省は8月21日、トラックやバス、タクシーの運送事業者を対象に、職場環境改善に向けた取り組み状況を評価する「運転者職場環境良好度認定制度(通称・働きやすい職場認証制度)」に関し、認証審査申請の受付を9月16日に開始すると発表した。期間は12月15日までで、審査結果は2021年1月以降に通知する。
同制度は国交省が認証実施団体と指定した日本海事協会が、申請のあった事業者の経営内容を書面で審査し、健全な就労環境の度合いを認証する仕組み。初年度の20年度は、法令順守や労働時間・休日などの5分野について、基本的な取り組み要件を満たせば「1つ星」の認証を付与する。
併せて、自主的・先進的な取り組みは点数化して表示する。21年度以降は継続して改善を図っている事業者により上位の評価として「2つ星」「3つ星」を認証していく見通し。申請案内書などは日本海事協会のホームページに掲載している。認証を得た事業者は21年5月20日に公表する予定。認証事業者が運行車両などに貼付できるステッカーも作成を進めている。
国交省は評価制度を導入することで、長時間労働や低賃金などの課題を抱える運送事業者の自発的な就労環境改善を後押しして、ブラック企業とは対極の「ホワイト経営」を広めるとともに、求職者にアピールする材料としても使えるようにし、運送事業者の人手不足改善につなげるのが狙い。審査料は1申請当たり税別5万円、登録料は同6万円で、インターネットを通じた電子申請の場合は審査料を同3万円に割り引く。
国交省は厚生労働省と組み、ハローワークの求人票へ認証結果を記載したり、求人エージェントを通じて先進的・自発的な取り組みを発信したりすることを想定している。
認証マーク(日本海事協会ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)