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官民が次世代の移動手段「空飛ぶ車」実用化へ協議会

官民が次世代の移動手段「空飛ぶ車」実用化へ協議会

渋滞解消で物資輸送など効率化に期待、年内に工程表作成

 官民の間で、「空飛ぶ車」の実用化に向けた動きが広がっている。国土交通、経済産業の両省などは今年8月、関係者が参集した「空の移動革命に向けた官民協議会」の初会合を開き、2020年代の実用化に向け、年内をめどに技術開発やルール整備などのロードマップ(工程表)を策定する方向性を確認した。

 空飛ぶ車は明確な定義がまだ存在していないが、一般的に電動または自動で垂直に離着陸する機能が想定されている。渋滞を解消し、人の移動や物資輸送を効率的に行ったり、災害時の救助・援助物資輸送や観光に活用したりできると期待される半面、騒音や安全性といった点で懸念が残る。

 海外ではウーバーのほか、欧州の飛行機大手エアバスなどが実用化に向けた実証実験を促進、研究も先行している。日本は関係者が連携して安全面などの課題と克服の道筋を早急に確認し、出遅れを解消することが求められている。

「25年に大型貨物用ドローン活躍」の未来予想図も

 協議会は日本航空(JAL)やANAホールディングス、ヤマトホールディングス、プロドローン、SUBARU、ウーバー日本法人などの関係企業と業界団体、有識者、経産と国交の担当局長ら20人超で構成。

 初会合で経産省の井上宏司製造産業局長は、空飛ぶ車が全く新しい社会を作り出し、さまざまな課題を解決する可能性があると指摘、民間企業の取り組み加速に期待感を示した。国交省航空局の高野滋安全部長は安全性の確保に最善を尽くす必要性を強調した。

 続いて、協議会メンバーの企業や団体が、空の移動が将来進化した姿をプレゼンテーション。ドローン事業の立ち上げを支援している投資ファンド、DroneFundの代表を務める千葉功太郎氏は25年に配送センター間を大型貨物用ドローン(小型無人機)「Draco」が結ぶなど、「空の移動革命」が進んでいるシーンを説明。空飛ぶ車の実現にも意欲を示した。

 NECは、地上から人工衛星を介して宇宙をつなぎ、空飛ぶ車が安全に移動できる環境を整備する構想を披露した。ウーバー・テクノロジーズは23年にも「空飛ぶタクシー」を商用化するとの目標を明らかにした。

試験飛行やインフラ整備などの目標時期を検討

 10月に開いた第2回会合でも、川崎重工業がVTOL機(垂直離着陸型機)の活用方針を示したり、ANAがドローンによる都市部での物流やエアタクシー事業を見据えていることを説明したりと、メンバーから多種多様なプレゼンテーションが行われた。

 併せて、事務局が工程表の策定方針案を提示。空飛ぶ車の用途として緊急時の対応、交通アクセスが不便な場所での移動、都市部での移動を列挙するとともに、試験飛行の実施やインフラ整備、事業開始などの達成時期を盛り込むことが示された。

 協議会は工程表を作成した後も適宜開き、目標達成に向け、技術開発や環境整備のより具体的な道筋を協議する見通しだ。

(藤原秀行)


「ドローンタクシー」の想像図(DroneFund提供)

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