アリババ、ラストワンマイル向け自律型配送ロボットを開発

アリババ、ラストワンマイル向け自律型配送ロボットを開発

一度に50個の荷物輸送、1回充電で最大100キロメートル走行見込む

アリババグループでクラウドサービスを提供しているアリババクラウドは9月17日、オンラインで開催したイベントで、ラストワンマイル向けの自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」を開発したと発表した。

アリババグループのグローバル研究機関アリババDAMOアカデミー(達摩院)が開発を手掛け、一度に50個の荷物を輸送可能。1回の充電で最大約100キロメートルを走行できる。指定された地域や大学などに1日当たり500個の荷物を届けられると見込む。

強化学習技術(Reinforcement Learning)を活用し、混雑した環境下でも自らルートを決めて走行。アリババクラウド独自の高精度測位技術を生かし、GPSの電波が弱い場所や電波が届かない場所でも走行できるようにした。

さらに自社開発のヘテロジニアス・コンピューティング・プラットフォーム、3D Point Cloud Semantic Segmentation(PCSS)技術、ディープラーニングを活用。障害物を識別し、人や自動車の動きを数秒前に予測して安全性を高められると説明している。

ユーザーはCainiao(菜鳥網絡)またはタオバオ(淘宝網)のモバイルアプリから配送日時を指定。ロボットで荷物を指定の目的地まで配送した後、ユーザーが同アプリ内で受け取り用のパスコードを入力して荷物を受け取る仕組みだ。

アリババクラウドは「オンラインショッピングが急速に発展している中国では、現在1日に約2億個の荷物が配送されており、今後数年で1日当たり10億個に増加すると予想されている」と指摘。配送ロボット活用の余地が大きいとの見解を示唆した。


自律型配送ロボット「小蛮驢」(アリババグループ提供)

(藤原秀行)

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