累計で40人に、クラスター発生と認定
千葉県船橋市は10月23日、新型コロナウイルスの感染者が多数確認されている同市内の物流倉庫について、同市習志野に本拠を置く物流企業「デイリートランスポート」と発表した。同社が運営している「習志野物流センター」が当該倉庫。
また、感染者が同日までに新たに19人確認されたと公表した。10月15日に最初の感染者が見つかってから累計で40人に達した。
同市は「市保健所における調査の結果、当該事業所内における感染の拡大が確認されたため、新型コロナウイルス感染者のクラスター(集団感染)が発生したと認定した」と強調。同センター内の消毒や感染経路の特定などを進めている。物流倉庫1カ所で発生した感染者数としてはこれまでで最多とみられる。
デイリートランスポートも同日、習志野物流センターで新型コロナウイルスに陽性と判明した従業員が累計で40人に達したとホームページで公表した。同社は「当社はこの事態を重く受け止め、全作業者の出勤を一時停止している。業務の再開については関係者の皆さまおよび従業員の健康と安全を最優先に配慮し、政府や自治体・保健所をはじめ関係機関の指導に従い、順次開始する」と説明している。
同市によると、新たに感染が判明した19人は20~60代の男女で、このうち4人は東京都内の保健所で陽性と確認した。ただ、現時点で13人は無症状という。
デイリートランスポートのホームページによれば、同社は1988年、千葉を本拠として総菜などを手掛ける富士食品(現フジフーズ)の輸送部として配送部門の業務をスタート。大手コンビニチェーン向けの弁当などを取り扱っており、2019年度の売上高は79億円に上る。
同センターの従業員は約700人で、全員を対象に順次PCR検査を行っており、今後感染者がさらに増える可能性がある。感染が広がった背景などの詳細はまだ明らかになっていないが、現状では無症状の従業員も多く見られるだけに、冷静な対応と従業員の保護、万全の対策を施した上での早急な業務再開が関係者に求められている。
(藤原秀行)※写真はイメージ