福井など3県で今年年末以降に実験予定
佐川急便が2022年度をめどに、ドローン(無人飛行機)を使った荷物配送を始める方向で準備を進めていることが分かった。人口減少に悩む中山間地や離島を抱えるエリアを対象とし、物流現場の人手不足対応と業務効率化、宅配サービスの維持を図りたい考えだ。
政府が22年度にも人が多く住んでいる地域でドローンを使った配送の規制を緩和する検討を進めており、操縦者の目が届かない遠距離を補助者なしで飛ばせるようになる見込み。佐川急便もドローンを本格的に活用することを視野に入れている。
実用化を目指し、ドローン配送の実証実験を20年の年末から年明けにかけて福井、香川、島根の3県で実施する予定。現時点でドローンは高速通信網などを生かして佐川の東京本社で遠隔操作し、宅配の荷物を数キロメートルから20キロメートル程度配送するとのシナリオを描いている。
ドローン配送は楽天が全国で実証実験を重ねるなど複数の企業や地方自治体が実用化を目指して取り組んでおり、まず中山間地や離島などで買い物をした商品や医薬品を届ける形でサービスが始められる見通しだ。物流業界大手の佐川がドローン配送への取り組みに本腰を入れることで、同業他社にも動きが広がりそうだ。
(藤原秀行)