経営統合契約の締結を決定、DCMの対応焦点に
ホームセンターの島忠は11月13日、家具大手ニトリホールディングス(HD)からのTOB(株式公開買い付け)の提案に賛同すると正式発表した。島忠は併せて、ニトリHDと経営統合契約を締結する方針を決めた。
島忠に対しては、同業のDCMホールディングスが今月16日までの予定でやはりTOBを実施しており、島忠も賛同を表明していた。しかし、ニトリHDが提示したTOB価格がDCMHDを大きく上回っていることなどから、方針を転換した。
ニトリHDは11月16日から12月28日の予定で島忠へのTOBを実施。買い付け価格は1株当たり5500円で、DCMHDの4200円を3割上回っており、買い付け予定数の下限は島忠保有分を除く発行済み株式の50%に設定している。
ニトリHDは国内外で607の店舗(今年2月末時点)を展開。業績は好調だが、少子高齢化で国内の家具・日用品市場は拡大が見込みにくいため、首都圏を軸に展開している島忠を傘下に収め、事業基盤の強化を急ぎたい考えだ。今後はDCMHDがTOBの買い付け価格引き上げなどの対応を講じるのかどうかが焦点となる。
(藤原秀行)