山田社長が表明、「車中泊」などニーズに柔軟対応
プロロジスの山田御酒社長は11月25日、千葉市内で新たに開発した物流施設「プロロジスパーク千葉2」の竣工式に出席した後、現地でロジビズ・オンラインの取材に応じた。
山田社長は、同施設と隣接する「プロロジスパーク千葉1」の計2棟で地元の千葉市と災害時の連携協定を締結したことに関連し、同社グループが管理を担う大規模なマルチテナント型物流施設を開発する際、地元自治体と災害時の周辺住民避難などへの協力に関して提案、協議する方針を今後も継続していきたいとの意向を表明した。
「プロロジスパーク千葉1」(左)とこのほど竣工した「千葉2」(プロロジス提供・クリックで拡大)
山田社長は、「千葉1」「千葉2」の2棟に関しては千葉市の要望に応じて、災害発生時に車中泊を希望する周辺住民を受け入れるための駐車場提供などを協定に盛り込んでいることに言及。「トイレの開放や水などの備蓄品提供も想定している」と語り、災害時の周辺住民保護に万全を期す考えを示した。
他のプロロジス開発案件の事例として、兵庫県猪名川町で建設を進めている「プロロジスパーク猪名川1・2」の周辺に約8000平方メートルの防災広場などを整備、ドクターヘリの発着や災害時の消防活動・避難拠点として使える空間にする計画を立てていることをあらためて紹介。「自治体の方々のニーズを踏まえ、柔軟に対応していきたい」と強調した。
併せて、「われわれが防災センターを設置し、管理する大規模なマルチテナント型物流施設の場合は、地元の自治体に災害への対応の面でご協力を申し出て、何ができるかを協議していくことを今後も基本姿勢にしたい」と説明。物流施設を防災・復旧のための拠点として提供し、社会貢献を図るスタンスを引き続き堅持していく決意を明示した。
新型コロナウイルスの感染が物流業界でも続いていることへの対応を尋ねたのに対し、山田社長は「例えばカフェテリアは時間を分けて従業員の方々に利用していただき、密集を避けるようにしたり、『千葉2』のように1人で利用しやすい仕切り壁付きの個人向けスペースを導入したりすることが考えられる」と解説。共有部に加え、テナント企業が使う専有部でも感染予防をサポートできることがあれば協力したいとの考えをのぞかせた。
(藤原秀行)