民間のデジタル化支援明記、物流業界の“脱アナログ”加速に期待
政府は12月21日、首相官邸で「デジタル・ガバメント閣僚会議」を開催し、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を決定した。
菅義偉首相が就任以来、目玉政策の1つとして創設を表明しているデジタル庁に関し、関係省庁への勧告権などを有した強力な総合調整機能を持つ内閣直轄の組織にすると明言。官民の双方から適材適所で人材を確保する方針も示し、官民の業務デジタル化を推進する司令塔的な組織の役割を鮮明にした。来年9月1日に発足させる考えも示した。
政府は2021年の通常国会にIT基本法改正案など関連法案を提出、早期成立を目指す。民間企業のデジタル化にも取り組む方向性を示しており、デジタル化の遅れがかねて指摘されている物流業界の“脱アナログ”の動きが加速することが期待される。
基本方針はデジタル庁について、国の情報システム整備に関する予算の一括計上、地方自治体のデジタル基盤整備に向けた企画・総合調整などを担うと表明。民間・準公共部門のデジタル化支援やサイバーセキュリティー強化を進めることも打ち出している。
さらに、国家公務員総合職の試験に「デジタル区分(仮称)」を導入し、専門知識を有した人材の採用を検討することを記している。
組織としては、首相を長とし、大臣や副大臣、政務官のほか、特別職の「デジタル監(仮称)」や「デジタル審議官(同)」などを配置。当初は500人程度の陣容でスタートさせ、CTO(最高技術責任者)やCDO(最高データ責任者)を設けることを盛り込んだ。
(藤原秀行)