シンガポール拠点の系列リートが広島の2・7万平方メートル案件取得
※本文中、「メープルツリーグループが中四国エリアの物流施設に投資するのは初めてとみられる」は誤りでした。これまでに投資した実績がありました。当該箇所は削除いたします。深くおわび申し上げます。
メープルツリーグループが、西日本エリアで物流施設事業を強化している。昨年11月にメープルツリーインベストメンツジャパンが九州で初めて物流施設を開発する計画を発表。併せて、昨年12月には、シンガポールに拠点を置くメープルツリー系列のリートが広島で竣工したばかりのマルチテナント型物流施設を取得した。
新型コロナウイルスの感染拡大でeコマースの需要が伸びていることなどから、首都圏以外のエリアでも優良物件の開発や投資を手掛けていきたい考えとみられる。
広島の物流施設を取得したのは、シンガポール初のアジアを対象とした物流施設専門の上場リート、メープルツリーロジスティクストラスト(MLT)。昨年12月にメープルツリーグループが開示したプレスリリースなどによれば、物流施設は広島県東広島市に位置し、地上2階建て、延べ床面積は約2万7000平方メートル。昨年11月末に完成しており、MLTの資産運用を担っているメープルツリーロジスティクストラストマネジメント(MLTM)がみずほ丸紅リースから63億7000万円で取得した。
賃貸エリアの3分の1は国内の3PL事業者が5年契約を締結済み。残りの3分の2はリーシング中という。MLTMは山陽自動車道の志和ICに近接しており、西日本の広域をカバー可能な拠点として期待できる立地に着目、取得を決めた。
メープルツリーインベストメンツジャパンは昨年11月、福岡県筑紫野市で大型のマルチテナント型物流施設を2棟開発する計画を公表。合計の総延べ床面積は約23万2000平方メートルに上り、完成すれば九州最大の物流施設になる見込み。福岡空港まで約20分でアクセスできるなど、地の利に優位性を持つ。
これより先の19年5月には神戸市内で延べ床面積が約10万2000平方メートルの大型物流施設が完成。メープルツリーインベストメンツジャパンが関西で手掛けた案件では最大級だ。同社は4大都市圏以外にも、札幌や仙台、広島など主要都市での開発を検討することを基本姿勢としており、今後も地方エリアでの開発・投資が続きそうだ。
北広島の物流施設外観(メープルツリーマネジメントサービスジャパン提供・クリックで拡大)
(藤原秀行)