バース予約・受付システムなどはコロナ禍で成長と分析
矢野経済研究所は1月25日、倉庫内物流テック市場動向に関する調査結果の概要を発表した。
クラウド型WMS(倉庫管理システム)、バース予約・受付システム、画像認識AI(人工知能)など8種類の物流現場向け技術について、2020年4~12月の引き合い状況の変化を参考に、それぞれ今後の利用状況などを予測。現場業務最適化AIや在庫デジタル化のためのRFIDについては、新型コロナウイルスの感染拡大でEC関連の物流が取り扱いを増やしていることもあり、伸びていくと推測した。
AIやRFIDの分野に関しては「検品や棚卸し、ピッキング作業などで現在多くの実証実験が進められており、物流現場への本稼働に向けて21年は動き出していく」との予測を示した。
ある程度提供事業者が定まってきている「アーリー市場」と、現在実用化が進められており今後新規参入が予想される「シード市場」に大別。前者のうち、バース予約・受付システムはコロナ禍で利用が大きく伸びるほか、クラウド型WMSや音声認識システムも成長が期待できるとの見方を示した。作業の可視化・業務日報のデジタル化ツールについては横ばいだが、長期的に見れば伸長するとの期待を見せた。
後者では、現場最適化のためのAIと、在庫デジタル化を図るRFIDはコロナ禍で利用増が見込まれると分析。画像認識AIも成長するとみている。資材管理のためのRFIDは長期的な成長を見込み、現状では横ばいと展望している。
リポートは物流テックの普及で、物流業界にはデジタル化や作業の標準化が進むという大きなメリットがもたらされると指摘した。リポートの詳細版は昨年12月に発売している。
各技術の評価(矢野経済研究所プレスリリースより引用・クリックで拡大)
(藤原秀行)