各国政府の財政出動が奏功、日本は3・1%見込む
国際通貨基金(IMF)は1月26日、世界経済見通しを改定した。
世界の経済成長率見通しは2021年が5・5%で、昨年10月に公表した従来の予測から0・3ポイント引き上げた。07年(5・5%)以来、14年ぶりの高い伸びになると見込む。
新型コロナウイルスの感染拡大で20年の実績見通しはマイナス3・5%とブレーキがかかったが、各国が景気対策で巨額の財政出動に踏み切った効果などから急回復するとのシナリオを描いている。22年は4・2%と想定している。
ただ、コロナ禍に伴う世界全体の経済損失は25年までに累計で22兆ドル(約2300兆円)に達するとみている。各国政府の債務も膨れ上がっており、今後の経済動向についてまだ楽観は禁物のようだ。
主要国・地域別に成長率を見ると、日本は21年が3・1%で、従来予想から0・8ポイント上方修正した。政府が昨年末に打ち出した総額70兆円超のコロナ対策が奏功、20年のマイナス5・1%から反転し高い伸びを記録するとみている。22年も2・4%と推計している。
米国も巨額の財政出動が効果を出すと判断、21年が5・1%で従来から2・0ポイント引き上げた。22年は2・5%と予想している。コロナ感染拡大に歯止めが掛かっていないユーロ圏は21年が4・2%で従来予想から1・0ポイント下方修正した。
(藤原秀行)