ANAHD、20年10~12月期の国際線貨物収入は過去最高に

ANAHD、20年10~12月期の国際線貨物収入は過去最高に

国内線は減収、明暗分かれる

ANAホールディングス(HD)が1月29日開示した2020年4~12月期連結決算によると、ANAブランドの貨物事業は、第3四半期(10~12月)の国際線貨物収入が前年同期比30・0%増の1016億円となり、同時期としては過去最高を記録した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界各地の旅客便が大幅な運休・減便を強いられたため貨物搭載スペースの供給量が低迷し、輸送重量は36・1%減の42万9000トン、有償貨物トンキロは35・9%減の20億6600万トンキロメートルにとどまった。

一方、8月以降に完成車や自動車部品、半導体・電子機器などの需要が回復し始め、10~12月は前年並みの水準に戻ったことから需給の逼迫が継続。貨物専用機による臨時便・チャーター便の設定に加え、10月に成田~フランクフルト線、12月に成田~バンコク線へ大型貨物機ボーイング777F型機を就航させ需要動向へ柔軟に対応を図ったほか、旅客機を使用した貨物臨時便を大幅に増やすなど、積極的に需要を取り込んだのが奏功した。

国内線の貨物収入はコロナ禍により22・0%減の153億円、輸送重量は43・7%減の16万2000トン、有償貨物トンキロは40・0%減の1億7900万トンキロメートルと不振だった。国際線と国内線で明暗が分かれた格好だ。

(藤原秀行)

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