ENEOSとZMP、エニキャリが実証実験の成果強調
ENEOSとロボット開発のZMP、宅配代行のエニキャリは2月12日、東京都中央区の佃・月島エリアで同8日にスタートしたZMPの自動宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」を使った複数店舗からの宅配実験の結果などに関するオンライン説明会を開催した。
実験は東新エナジーが同エリアで運営しているENEOSのサービスステーション「Dr.Drive月島SS」にデリロを配備し、充電などを実施。住民からの注文を受け、同エリアに構えている外食やコンビニの10店舗から預かった料理などを複数のロボットを駆使し、住民に届けている。デリロは人が付き添った上で公道を走行している。複数店舗の商品をロボットが運ぶのは国内で初めてという。
3社は実験に参加している住民や店舗などから一定の評価が得られていると解説。今後も実験を重ねた上で、2022年度にデリロを遠隔監視する形で無人配送の実用化を目指す考えを強調した。
実験ではサービスステーションから約800メートル離れた高層マンションまで約15分でデリロが商品を届けている。住民からは1回につき配達料として税込み297円を徴収。料理のほか、コンビニからはトイレットペーパーなどの日用品も配達しており、これまでに1日当たり2~3件程度の注文があったという。
国内のガソリンスタンドは脱炭素の動きを受けて減少傾向に歯止めが掛かっていない上、今後もEV(電気自動車)の普及などで需要が大きく伸びることは考えづらい。ENEOSは地域のガソリンスタンドなど既存の経営資産を有効活用し、新たな収益源を探りたい考え。
ZMPは新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって宅配需要が伸びていることに対応。エニキャリはロボットを使った宅配のノウハウを蓄積し、多様なニーズに応えていく構えだ。
佃・月島エリアではサービスステーションなどに複数台のデリロを配置、同行者なしの遠隔監視で運用し、各店舗で料理などをピックアップし、無人で順に届けるとの流れを想定している。3社は他のエリアでも展開が可能かどうかを見極めていく予定。
サービスステーション停車しているデリロ(左)と公道を走行するデリロ(3社提供)
(藤原秀行)