ローカル5Gなど先進的無線技術駆使、現場作業の課題抽出など想定
パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパンは2月17日、物流などの多様な業界向けに新たな事業「現場マルチネットワークサービス」の提供を4月1日開始すると発表した。
地域限定で高速通信を実現する「ローカル5G」をはじめ先進的な無線ネットワーク技術などを駆使し、物流などの現場業務効率化を積極的に支援する。
パナソニックグループは近年の経営方針として、流通や物流、製造のさまざまな業務を対象とした「現場プロセスイノベーション」を実現することに注力している。新事業もその中核の1つと位置付けており、パナソニックグループでタクシー無線や防災無線など多様な無線設備を長年手掛けてきたノウハウも生かし、2025年に累計で1000億円のサービス販売額を目指す。
新サービスはローカル5Gのほか、施設内で高速通信が可能な「プライベートLTE」など複数の無線通信技術を組み合わせ、顧客の現場ごとに最適な通信環境を整備。ビデオカメラなどの映像機器で蓄積してきた技術も生かし、撮影した現場の大容量画像を離れた場所へ途切れず円滑に伝送できるようにする。
具体的なソリューションとして、プラントの広大な敷地内をくまなくカバーする高速データ通信網を構築し、センサーを用いた設備の遠隔点検を実現した例を紹介。
物流倉庫や工場向けには、庫内を撮影した画像を分析して作業の課題を抽出したり、フォークリフトの自動運転を実現したりすることなどを想定しており、パナソニックグループが抱える自社の倉庫や工場で検証した結果を顧客へのソリューションに反映させていく構えだ。
同サービスの展開に際しては、システムインテグレーターやデバイスメーカーなどとも連携も視野に入れている。今春にはローカル5Gの性能を体感できる実験試験局「ローカル5Gラボ(仮称)」を立ち上げる計画。
現場マルチネットワークサービスのイメージ(以下、いずれもパナソニック提供)
「ローカル5Gラボ(仮称)」のイメージ
(藤原秀行)